ミニマリストとして、すっきり暮らしを発信している30代のブロガー・ponpocoさん。しかし20代の頃は浪費家で買い物に失敗することも多かったといいます。

初の著書『200着の服を8割減らしたらおしゃれがずっと楽しくなった』(扶桑社刊)を出版したponpocoさんに、ミニマルライフに目覚めたきっかけや、ものを手放すコツを伺いました。

ミニマルライフという生き方について、最初は懐疑的だった

クローゼット
すっきり厳選されたクローゼット
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――現在コンパクトハウスに家族4人で暮らしているponpocoさん。書籍ではすっきり片づいた部屋の写真も公開されています。「浪費家だった」という20代の頃から、どうやって生活を変えたのでしょうか?

ponpoco(以下po):私より先に持ちすぎない暮らしを始めた母と、天然のミニマリストである夫の影響が大きいです。

じつはミニマルライフという生き方について、最初はかなり懐疑的でした。ものがなくなると、自分らしさもなくなってしまうような気がして。でも、ものが少なくても自分らしく快適に暮らしている2人を見て、ものがなくても意外となんとかなるし、どんなにたくさんものを持っていても、きちんと使わなければ意味がないと思うようになりました。

ものは使って初めてその真価を発揮します。ものが多くてもしっかり活かせる人であればマキシマリストでもいいと思いますが、私の管理能力では難しかったので、1つ1つのものを大切にするためにミニマルライフを選びました。

●心に正直に、自分らしく生きられるようになった

――ミニマルライフを送るようになって、よかった! と思うことを教えてください。

po:余計な物事を手放していく過程で、それまであやふやだった自分の価値観が浮き彫りになり、やってみたいことや大切にしているものはなんなのか、わかるようになりました。思考がシンプルになって、昔よりもずっと自分の心に正直に、自分らしく生きられるようになったと感じています

ブログ運営や書籍出版も、ミニマルライフを経験しなければチャレンジしていなかったでしょう。多分、昔の私が知ったらビックリすると思います。
あとはいつでも気軽に友人を家に招待できるようになったことですね(笑)。

●いらないものを手放すのではなく、本当に好きなものだけを残す

――書籍では、200着あった服を8割以上減らしたり、高級ブランド品でも今の自分に合わないと感じたら手放したりしたことが書かれています。ものを手放すときは、罪悪感など心理面、処分の手続きなどの物理面、両方ハードルが高くて諦めてしまう人が多いと思います。ponpocoさんはそのハードルをどのように乗り越えてきましたか?

po:ものを手放すことに痛みを感じる場合は、いらないものを手放すのではなく、本当に好きなものや今のライフスタイルに合うものだけを残す、と考えると気持ちが少しラクになると思います。また、処分を面倒に感じる場合は、その面倒な作業を将来の自分に託しても大丈夫か考えると、やる気がアップするかもしれません。

ミニマルライフはだれにでもフィットする暮らしではないので、ものを手放していくうちに「自分の目指す暮らしとは違うな」と感じたら、いつでもやめてOKです。

ミニマルライフを目指すうえで大事なのは諦めないこと、そしてその痛みや苦労を忘れないこと。私は「諦めたら同じことの繰り返し。もうこんな大変な思いはしたくない」と思って乗り越えました。ものを減らしてスッキリしたあとも、自分のキャパシティを超える量を“持たない・買わない・増やさない”ように心がけています。

ちなみに他人軸で購入したブランド品は手放しましたが、自分軸で選んだブランド品は今でも大切に愛用しています。高いものには高いなりの価値があり、プチプラにはプチプラのよさがある。世間の価値基準に振り回されずに、自分にとって価値があると感じたものを選ぶことが大切だと思っています。