最近、家づくりで採用する家庭が増えている「フリースペース」。取り入れるのはちょっと待った方がいいかもしれません。3年前に地元工務店で家を建てた日刊住まいライターは、妻の要望でコーヒーを飲みながら読書ができるフリースペースを採用。しかし住み始めてみると、だれも使わない残念な場所になってしまいました。
すべての画像を見る(全4枚)憧れだけで間取りに取り入れたフリースペース
筆者は妻と子ども2人(10歳と6歳)の4人家族。家づくりの際に、28社のハウスメーカーを見学。3年前に地元工務店で、2階建ての注文住宅を建てました。
わが家では、フリースペースを採用しています。フリースペースとは、その名のとおり用途を限定しない空間のこと。家族のだれもが、自由に使える多目的空間のことです。
じつは家づくりの際に、妻がフリースペースに憧れていました。ネットで見るフリースペースは確かにおしゃれ。夢のような空間です。
しかしわが家の場合、憧れだけでつくったフリースペースは、結果としては使わない場所になってしまいました。
フリースペースをつくれば使うとは限らない!
わが家のフリースペースは2階にあります。階段ホールを大きくつくることで、フリースペースとしても使える仕組みに。ちなみに広さは170×270cmです。
当初、妻はフリースペースで、コーヒーを飲みながら読書を楽しみたいと考えていました。その要望を設計担当者に話し、ホールの窓に面した部分に、小上がりのようなヌック(小さな居心地のよい空間)を造作することに決定。ここにラグなどを敷いて、おしゃれにくつろげる空間にするつもりでした。
ところが、完成したのちも、妻はそんな使い方をする様子はありません。そもそも妻は日頃から読書なんてしなかったのです。設計時から妻にはその話をしていましたが、「場所ができれば、読書をしたい」ということで、そのまま設計は進んだのでした。
憧れのみでつくったところで、人間の習慣の方はなかなか変わりません。フリースペースは必要性を、しっかり考えてつくるべきたったと反省しています。
サンドバッグをつるしてみたが飽きて使われず
そうは言ってもせっかくつくったフリースペース。なんとか有効活用したくて、あの手この手を試しました。
まずはサンドバッグをつるしてみました。じつはこのフリースペースには、しっかりと下地を入れてあり、フックを設置しているのです(リビングで使用しているゆりかごハンモックを、ここでも使えるようにするため)。
ちなみにこのフックはネットで購入しました。1つ3000円で耐荷重は120kg。そのフックを利用して、サンドバッグをつるしたのです。
最初は筆者も子どもたちも喜んで使っていました。でも、そのうち飽きて使われなくなりました。
その後は子どもたちがドラムをやってみたいというので、電子ドラムを買って置いてみました。これもまた、最初は喜んでやっていたのですが、飽きるとやらなくなりました。
今ではとりあえず電子ドラムが、ホコリをかぶっている状態です。