将来、子どもがお金で困らないために、家庭でのマネー教育は必要不可欠。小・中・高校生の間にやっておくべきことを専門家たちが伝授します! 今回は「高校生編」。エコノミストの永濱利廣さんに教えてもらいました。
子どものマネー教育「高校生編」
すべての画像を見る(全4枚)バイトを始めるなど、家の外でもお金の基本を学ぶ年齢。親はきっかけづくりやフォローを。
【高校生で身につけるべきお金の基本】
・お金の流れと経済の仕組みを理解する
・正しい税金の知識をつける
・お金を増やす投資の基礎を学ぶ
高校生には金融リテラシーを身につける手助けを
「高校生になったら、“経済の仕組み”“税金の知識”“投資の基礎”の3つをきちんと学ばせましょう」と永濱さん。
「私たちの時代と違い、今の子どもたちは経済の情報を正しく理解し、自分に合う金融商品やサービスを選ぶ『金融リテラシー』が必要不可欠。学ぶきっかけをつくることが重要です」
おすすめは、バイトをさせたり、おこづかいの一部をドルで渡したりすること。「子ども自身が疑問や興味をもてば、SNSを使って調べ、どんどん知識を吸収していくはずです」
●STEP1:高額のゲーム機などが欲しくなる年頃。おこづかいの増額は、成果に対する報酬制
おこづかいを増やすときは、子どものやる気を引き出す仕組みづくりを。「テストの点数や学校の成績、部活などで成果を上げた報酬として増額するのも1つの方法。仕事と報酬の擬似体験にもなります」
●STEP2:バイトは税金について学べるいい機会。仕組みを正しく理解させて
バイトは税金について学べる絶好のチャンス。「『もらえるはずの金額よりも手取りが少ないのはなぜ?』『年末調整で税金が戻るの?』など気になることは多いはず。この機会に、話して聞かせましょう。正しく教えるべきは右の3つ!」
「源泉徴収」 「確定申告」 「扶養控除」
年収が103万円を超えると、バイト代から所得税が天引きで「源泉徴収」されること。103万円以下で源泉徴収された場合は、「確定申告」で戻ること。年収が103万円を超えると親の扶養から外れ、親の「扶養控除」がなくなること。働く前にきちんと理解を。
●STEP3:自立したときのために早めにお金に触れておく
投資の基本を学ぶために、おすすめはお年玉をドルで渡すこと。「ドルに対して円の価値が毎日どう変動するか、要因はなにか、いつ両替すればトクか、自分のお金だからこそ真剣に考え、自然に金融リテラシーが身につきます」
奨学金が充実している時代。経済的な理由で進学を諦めないで
家の経済状況が悪いほど、子どもに隠さないことが大事。「今は奨学金制度が充実しているので、親子で話し合って対策が立てられます。私自身も奨学金で進学しました」