皆さんの冷蔵庫にはどんな「部屋」がありますか。メインの冷蔵室、野菜室、冷凍室に加え、「チルド室」と「パーシャル室」があるタイプが増えています。
このふたつの部屋の使い分け、できていますか? チルド室にゼリーが入っていたり、パーシャル室が保冷剤入れとなっていたりと、なんとなくで食品を置いている人も多いのでは。
「しっかりと理解して使わないのはもったいない! 冷蔵庫の仕様を知れば、保存効率がよくなり、食品の扱いも変わってくるはず」
そう語る冷蔵庫収納家の福田かずみさんに、詳しく伺いました。
冷蔵庫の特徴を知ることは、上手な食材保存につながる
まずは、冷蔵庫の各部屋の温度帯を確認してみましょう。
すべての画像を見る(全3枚)各部屋の温度は、おおよそになりますが、冷蔵室は3℃、野菜室は5℃、冷凍室は18℃。そして、チルド室は0℃、パーシャル室は-3℃です。
●チルド室について
チルド室は、冷蔵室の中でもいちばん温度が低い部屋になります。なので、肉や魚といった生鮮食品を優先して入れるのがおすすめ。
また、キムチやヨーグルトなどの発酵食品にも向いています。発酵食品は、発酵が進むと酸味が強くなりますが、より温度の低いチルド室なら、発酵過多になることを防いでくれます。
●パーシャル室について
パーシャル室は-3℃。この環境で保存されると、食品の水分が凍り始めます。
水は、-1℃から凍り始め、-5℃でほぼ凍結します。
つまり、-3℃は凍結する一歩手前の状態。凍っているようで完全には凍っていないので、解凍せずに包丁で切ることができます。すぐに調理にとりかかれることは、大きなメリット。
また、パーシャル室はチルド室より温度が低く、鮮度の低下をさらに遅らせることができます。
保存期間が3日の生鮮食品が、約7日に延長するとうたっている冷蔵庫メーカーも。
●食品を空気に触れさせない保存方法を
チルド室とパーシャル室の両方が備わっている冷蔵庫でしたら、上手に使い分けましょう。チルド室のみの冷蔵庫なら、鮮度が低下しやすいものから優先して入れるようにしましょう。
その際、より鮮度を保つために心がけたいのが、食品を空気に触れさせないことです。
お肉なら、パックのままではなくラップに包み、さらにポリ袋に入れるのがおすすめ。
仕様を知ることで、限られたスペースを有効に使うことができます。
また、つくりおきおかずもチルド室やパーシャル室なら、より長もちして食材のロスを大幅に減らすことができるでしょう。各部屋ともスペースには限りがあります。優先順位を考えて保存するようにしてみてください。