分かれていたLDKをワンルーム化して、家の顏ともいえる美しくて使いやすいキッチンを実現したリノベーション事例です。ここは、建築家の佐々木洸奈さんと亀田潤さん夫妻の住まい。数々のアワードも受賞しています。キッチンの壁は、壁紙をはがして水や油がしみ込みにくい、ウレタンクリアで塗装。きれいに保つための工夫も参考になります。

キッチン全景
換気扇の高さに合わせて配した間接照明で、実際の面積以上の奥行きが感じられる!
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LDKをワンルームにしてキッチンを家の主役に

一直線に配した間接照明

約3年前にマンションを購入してリノベーションした佐々木さん・亀田さん夫妻。寝室を確保しつつ、広々と使えて開放感のあるキッチンにしたいという思いから、分かれていたキッチン、ダイニング、リビングをワンルーム化することに。

リビング、ダイニング、キッチンの壁に沿うように一直線に配した間接照明(写真)の光の演出により、空間につながりと奥行きが生まれています。

 

ダイニングテーブル

キッチンの先のダイニングには、この家に合わせて造作したという正方形のダイニングテーブルが。床のグレーのセラミックタイルや、ソファとの色のグラデーションが、美しい空間をつくり上げています。

「キッチンで調理している人が完全に隔離されてしまわないよう、リビングダイニングエリアとの関係性を考えて設計しました。ダイニングに座っている人と、キッチンに立っている人の目線が合ったり、会話ができたり、食器を渡せたり。そうしたコミュニケーションが取りやすくなるような空間づくりにこだわりましたね」

キッチンからリビングまで視線が抜けるので、実際の面積よりも広々と感じられます。

また、換気扇の高さに合わせて配した間接照明が、ワンルーム化した空間に奥行きを感じさせるのにひと役買っています。既存の梁の幕板にパネルを設置。そこに間接照明のボックスを取りつけることで、キッチンからリビングまで光の道が通り、空間がより広く感じられ、一体感が生まれています。

 

キッチンの壁は、汚れにくいウレタンクリアで塗装

「キッチンを使っていないときも美しく見えるようにということを意識しました。リビングやダイニングからまるっと見えてしまうぶん、使い終わったらすぐに掃除するようにしていますね」

 

ウレタンクリア塗料を使用

掃除のしやすさと見た目の美しさを考えて、キッチンの壁は、水や油がしみ込みにくいウレタンクリアで塗装。もともと貼られていた壁紙をはがして出てきたモルタルに直接塗装しています。

「頑固な油汚れにまでなってしまうと、塗料にそこまでの強度はないかもしれないので、汚れをためないよう日々気をつけています」

ふたりでキッチンに立つことも多く、料理をつくるのも食べるのも大好きな夫妻。「料理はクリエイティブな時間だと思っていて、私たちには欠かせない時間ですね」。

 

この家のキッチンプラン

キッチンプラン

DATA
所在地:東京都
家族構成:夫30代 妻30代
専有面積:60.50㎡
リノベーションの時期:2019年12月

 

オープンな食器棚

食器棚には扉をつけず、オープン収納に。出し入れしやすく、使いやすい。

 

全面ステンレスのシステムキッチン

全面ステンレスのシステムキッチンはサンワカンパニーの「グラッド45」。ワークトップがフラットで、シンクがスクエアな点がお気に入り。