新連載「清水ミチコのお茶の間人生相談」がスタート! 読者から寄せられたお悩みに、清水ミチコさんが答えてくれました。
よく嘘をつく娘。どう対応したらいい?
すべての画像を見る(全2枚)本当はお父さんが大好きなのに、なぜか「嫌い」と嘘をつく娘。ほかにもよく嘘をつくのですが、どう対応したらいい?
かずみさん(46歳・専業主婦)
●嘘をついた子どもの目をじっと見つめてみて
私も小さい頃、よく嘘をつきました。嘘つきの前に、嘘泣きが原点だったかもしれませんが、途中から我ながら上手くなりすぎてしまい、感情移入が過ぎ、本当に号泣してしまったことも記憶にあります。子どもと嘘はきり離せません。と書くと、まるで大人になった今はついてないみたいに思われそうですが、じつは今もよくついてます。「来年の抱負は?」などとマイクを向けられると、「来年こそアフリカを横断したい!」などと、咄嗟にねつ造。ところが、質問した相手も「それ、嘘じゃないですか?」などと疑ったりしません。なぜなら、これはお互いに(どっちでもいいこと)という共通認識が根底にあるからなんですよね。
子どもは思った以上に大人の横顔をよく観察しています。そしてなんといっても大人よりもヒマ。同じ一日でも、時間的余裕が違います。泣き続けたらこのオモチャを買ってくれるんじゃないか、という賭けに出るのはたやすいものなので、結局大人は時間負け(根負け)して買ってしまいます。一方で、子どもは持ち前の時間的余裕で(逆のことを言ってみようか)と、お試しで大人を観察するのも一興だったりします。(ほらね、驚いた)という快感もついてくるのです。困ったことに、嘘には夢とスリルがあります。社会人になるとバレたら信頼されなくなるため、普通はだんだんつかなくなりますが、子どもはまだ罪だと思ってないのです。
これからもお試しをされたら、「本当かな?」と言いながら子どもの目の奥をじっと長めに見つめてあげてください。(あなたよりも私の方が観察していますよ)というメッセージをこめて。嘘をついた心がだれかにじっと見られてる、というだけで、子どもながらに恥ずかしいという気持ちになるはずです。