片づけワザとしてよく使われるラベリング。おしゃれに見せられるので、インテリアのような感覚で使っている人も多いのではないでしょうか。

「わが家も数年前まではおしゃれな横文字のラベリングをしていました」と語るのはライフオーガナイザーの香村薫さん。その失敗談と改善例を教えてもらいました。

おしゃれ優先のラべリングでは、家族が使いづらいことも

せっかくラベリングしているのに家族から「あれどこにあるの?」と聞かれたり、違う場所に置いてあったりして、イライラが募っていたという香村さん。
「あるとき、ふと気づいたんです。私のラベリングでは、家族がしまう位置を把握できていないんだ! って」

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おしゃれなアルファベットのラベルはわかりにくかった
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そこで、香村さんは、家の中のラベリングを、家族が使いやすいように大改革することにしたそう。試行錯誤の末にたどりついた、「これはやってよかった! 家事シェアのためのラベリング」をご紹介しましょう。

●1.ラベリングは日本語で

まずは、ラベリングを日本語表記に変えたそう。

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「たとえば洗濯用洗剤は、『LAUNDRY』という英語表記から『洗濯手洗い用』に変えました。なにが入っているのかを明確に書いておくのがポイントです。中途半端に「せんたく」と書いて失敗した経験もあるので、ご注意ください」

これで家族からの「あれどこ?」が激減! 英語表記は見た目がおしゃれですが、家族にはわかりづらいかもしれません。

●2.ストック場所をラベリング

ケースの中になにが入っているのかを書いておくのが、ラベリング。

「そこからもう一歩踏み込んで、このストックはどこにあるのか、まで書いてみました」

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「これで、家族がいつのまにか補充してくれるようになりました!」

●3.絵をラベリング

「まだ文字が読めない子どもがいる家庭でしたら、絵でラベリングしてみてはいかがでしょうか?」と香村さん。

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つくり方は簡単で、ネット上のフリーのイラストをダウンロードし、印刷するだけ。

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「これを半透明の収納グッズの内側からはると、中に入っているものの目隠しにもなります」

●4.使う順番をラベリング

タオルのように毎日使うものは、劣化の度合いを同じくらいにして、一気に買い替えるのが効率的。

「わが家では『先入れ先出し方式』を採用していて、こちらから取ってねと、使ってほしい順番を書いてあります。手前から取っていって、しまう際は奥にしまうということ。これで劣化の度合いがそろえられますよ」

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●5.補充タイミングをラベリング

「電池などの日用品は、使いたいと思ったときにかぎって在庫がない! ということがあります。わが家では『残り2つになったら補充』と、買うタイミングをラベリングするようにしています」

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気づいた人が補充することになっているので、これで在庫がなくて困ることがなくなったそう。

●6.正しく戻すダブルラベリング

家族みんなが自由に使うものにオススメなのが「ダブルラベリング」。

「商品自体にラベリングするのに加えて、戻してほしい場所にも同じようにラベリング。とくに効果的なのが、調味料や粉類など食品の収納です」

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香村家はこれらを冷蔵庫に入れているので、調味料収納にラベリングをし、冷蔵庫のポケットにもラベリングするようにしているとのこと。みんなが使うものだからこそ、戻す場所が決まっている方が使いやすいですね。

「そもそもラベリングをするということは、ラベリングをしないとわからないほど自分のキャパシティを超えてものをもっている証拠なんです。あれにもこれにもラベリングするくらいなら、モノの量を見直すべき。でも、家族みんながスムーズに使うためのラベリングは効果絶大です。日々の暮らしのなかで家族からの『あれどこ?』にイライラしたらチャンスととらえて、『ラベリングで解決できないかな?』と思い出してもらいたいですね」

自分本位のラベリングではなく、家族が暮らしやすい仕組みづくりをすることが、家事がラクになる第一歩かもしれません。