広い世代わたって、平屋が人気です。約1年半実際に住んでみて、気に入っている点を日刊住まいライターが本音で紹介。エアコンの効き、家事のしやすさ、家族との過ごしやすさ…。さまざまな角度から、振り返ってみました。予想以上によいことだらけと満足。

エアコン
筆者の平屋では、エアコンひとつで、家全体の温度調節をやりくりできる
すべての画像を見る(全7枚)

エアコン使用時に部屋の温度差に悩まない

1年半ほど前に、ハウスメーカーで注文住宅を建てた30代の筆者。32坪の平屋に妻とふたり暮らしをしています。

家づくりに備えて、100件ほどのモデルハウスを見学。プランを決める際にはかなり検討を重ねました。その結果出した結論が、平屋という答え。

平屋を選んだ理由で、いちばん大きかったのが、「エアコンを使った際に、部屋の温度差が生じにくい」という点です。

でき上がったわが家の延床面積は約32坪。LDKに加えて個室が3つほどありますが、エアコンは1台しかありません。しかし、全部屋が同じ階なので、ドアをあけてサーキュレーターで風を送れば、ある程度どの部屋でもエアコンが効きます。

2階建てだと1台で部屋全部をまかなうのは厳しいかと思います。

たとえば夏のシチュエーション。実家は2階建てで、筆者には相当暑かった記憶があります。夏に1階リビングでエアコンつけて過ごしていて、寝るときに2階の寝室に入ると「とても暑い!」。温度差がとても不快でした。

今は、電気代もどんどん上がっています。エアコン1台で過ごせるなら、それに越したことはないでしょう。

 

生活スペースを広げることができた

広いLDK

限られた延床面積のなかで、階段や廊下など、生活に直接重要でないものには、スペースを割きたくなかった筆者。そういう意味でも、平屋は廊下をなくせて、その分のスペースを大事なものに回せるので、とても効率がよいです。

おかげで、LDKのような生活に重要なスペースを、極限まで広く取ることができました。おまけに、階段をつくるコストも削減。

しかもわが家の場合は、「廊下のない間取り」を採用しました。純粋な通り道としての廊下は一切排除。収納スペース(ウォークインクローゼットや回遊性のあるパントリーなど)を通り道と兼用できるように計画しています。

ちなみに廊下のない間取りにして困ったことは、今のところ一度もありません。

 

家族とのコミュニケーションが取りやすい

会話が弾むLDK

すべての部屋がワンフロアまとまっているので、家族の気配を感じながら生活をすることができます。これは、平屋が子育て世代に人気な理由のひとつでもあるかと思います。

平屋である限り、子どもが「そーっと」帰ってきて、家族と顔を合わせず階段を上って、部屋にこもるということもなくなります。

わが家は、生活時間が長いリビングを中心に置いた間取りにしてあります。どの部屋にいても、リビングにいる家族とコミュニケーションが取りやすいです。

また、オープンなLDKなので、キッチンに立つ人の様子を感じて、自然に手伝うといったこともやりやすいと感じています。

 

圧倒的に家事がしやすい

家事がしやすい間取り

平屋だと、家事をすべき場所に移動するのがとにかくラク。これは最高です。

2階建てだと、「濡れた重い洗濯物を2階のベランダで干して、取り込んだ洗濯物を1階に運ぶ」「掃除機を持って、階段を行き来する」といったこともあるでしょう。でも平屋なら、その手間はありません。

若いうちはまだよくても、年齢を重ねたり、体調が悪かったりすれば、家事のための階段の上り下りは、地味な負担とはいえ、辛いでしょう。平屋は、すべての家事にまつわる設備が1階に集約されていて、本当に暮らしやすいです。

また、間取りを工夫すれば、家事や収納のための動線を短くすることもできます。忙しい世帯にとっては、大助かりではないでしょうか。

 

階段がないから小さい子どもも安全、老後も安心

階段の上り下りは、ケガの原因になることがあります。やっぱり危険ですよね。とくに小さい子による階段の上り下りは、目が離せないでしょう。

平屋には階段がないので、子どもにとって安全なのはもちろんですが、親としても精神衛生上、安心して暮らせるでしょう。

それに、長い人生、なにがあるかわかりません。ケガで万が一、階段が使えなくなったときや、老後のためにも、階段がない方がリスク回避できるなと感じています。