「スマホの普及で、30〜50代でも認知症のようなもの忘れを発症する人が増えています」と教えてくれたのは、脳神経外科医の奥村歩先生。奥村先生によるとこうした症状は年齢のせいではなく、スマホによる脳の疲れが原因ということが多いそう。改善方法をチェックしていきましょう。

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スマホの見すぎ
スマホ脳で脳疲労が起こると、もの忘れや頭痛の原因にも(※写真はイメージです。以下同)
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その不調「スマホ脳」かも?

最近、集中力が続かない、やる気が出ないと感じていたら、それはスマホの見すぎで脳が疲れている『スマホ脳』のサインかもしれません。

「スマホを目的もなくだらだら見続けていると、脳には膨大な情報が入ってきます。その情報を整理整頓するために脳はフル稼働で働き続け、気づかぬうちに脳過労を引き起こしている方が少なくありません。心も体もコントロールしているのは脳。スマホに依存して脳過労になると、もの忘れや頭がボーッとするだけでなく、頭痛や腰痛などの痛みを伴う不調の原因にもなります」と奥村先生。

脳過労によるスマホ脳から脱するためには脳を休ませることがいちばん。生活のなかでできる習慣を実践して、脳の疲れを解消して!

●いくつ当てはまる?スマホ脳チェック

・最新情報に乗り遅れるのが怖い
・仕事や家事でうっかりミスが増えている
・夜眠れなくなったり、途中で目覚めてしまう
・会話がかみ合わず、相手の話が理解できない

●スマホ脳を放っておくと……

うつ状態に

うつ

脳の疲れが続くと、脳の働きが低下して幸せを感じる脳内物質・セロトニンの分泌が減少。落ち込みやすくなりうつ状態に。

アルツハイマー型認知症のリスクが高まる

65歳以前に脳疲労からくるうつ状態が2年以上続いていると、老後にアルツハイマー型認知症になる危険性が2.1倍高いというデータも。

 

脳を休ませるためにできること

こまめに脳の疲れを取り除いて不調をラクに。すぐにできることばかりなので毎日の習慣にしてください。

●朝の5分日光浴で手のひらを太陽にかざす

カーテンを開ける

日光浴をするだけで、脳内のセロトニンが活性化されて脳の疲れが癒やされます。朝起きたらスマホを見ずに、窓をあけて太陽の光を浴びましょう。日やけが気になる場合は、太陽に向かって手のひらをかざすだけでも効果があります。

●15時までに20分程度昼寝する

夜の睡眠に影響しない時間帯の昼寝は、脳を休めるのに効果的です。15時までに20分程度の仮眠をとる習慣を。深く寝すぎてしまわないように、ランチにコーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲料を飲んでから眠ると、すっきりと目覚められます。

●スマホ使用時間を決めて、ネットの情報と距離をおく

だらだらとスマホを見ていると、よくも悪くも刺激的な情報がどんどん入ってきます。その情報に悩んだり悲しくなったりしていると、うつになることも。スマホの使用時間と、必要な情報だけを探すと決めて、ネットの情報とほどよい距離感を保って。