女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。 一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地であり、その後も定期的に訪れるスウェーデンのこと(フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと)などを写真と文章でつづります。第23回は、川上さん流「整理術」について。家だけでなく頭の中もすっきりする独自の片づけ法に注目です。
すべての画像を見る(全8枚)50代からを身軽に生きるための「ものが増えない」整理術<川上麻衣子の猫とフィーカ>
春は新しいことを始めたくなる季節。と同時に、えっ? ついこの前お正月だったはずなのに…。と気が焦る季節でもあります。年末、充実した思いで締めくくれるかどうかは春桜の頃に想う心意気次第な気がしています。
そして引越しもじつに多い季節です。
新しい生活に心躍らせる若者とは裏腹にやむにやむを得ない事情で、住み慣れた土地を離れなければならないこともあるのが、私たち還暦間近、アラ還世代かもしれません。かくいう私もその1人。前回書きましたが、今住んでいる賃貸の仮住まいの契約終了が急に決まり、物件探しの真っ最中なのです。
いずれにせよ、いつなにが起こるかわからない世の中において、若い頃のような腕力も体力もなくなりつつある昭和世代にとって、身軽に生きることはなんにしても、大切なことです!
そこで今回は、私の暮らしの整理術をちょこっと紹介します。なにしろその道のプロフェッショナルではないので、粗いところは多々あるとは思いますが「昭和式整理術」とでも名づけましょうか。
テンテコマイマイ(笑)な状況の中で、生み出した私流の方法です、もし興味ありましたらぜひお試しください。
●必要なのは紙とペン、家の外で作業するのがポイント
まずなにが昭和的かといえば、とにもかくにもアナログ思考で進めます。
必要なのは、紙とペン。何なら藁半紙なんかがあると、私としてはとても高揚した気分になります。
学生の頃、新しいノートの1ページ目に文字を書くワクワクと緊張。このノートが文字で埋まる頃には、きっと今とは想像もつかないくらい、知識が身についているであろう自分を想像していたあの頃。「メモ魔になりなさい!」と教えられ、思いついたことは何でもメモしていたあの頃。あの頃の自分は、今でも新しいノートを手にすると蘇ってきます。
というわけで、私の暮らしの整理術の基本は、まず家を離れて、ペンとノートを持って静かな場所に出かけることからスタート。
お気に入りの喫茶店。あるいは図書館の勉強室。天気がよければ近くの公園。私の場合は、ドラマの撮影現場で、長いあき時間ができたときに、これ幸いと作業を始めます。