ハウスメーカー家を建てる際、事前に収納プランをしっかりと練った整理収納アドバイザーでもある日刊住まいライター。打ち合わせで、想定外に設計士に提案された「寝室にウォークインクローゼットがある間取り」を、なんとなく採用してしまったところ、後悔することに。あまりにも一般化しているこの間取り。改めて考えてみました。

筆者の家のウォークインクローゼット
寝室の中につくった筆者の家のウォークインクローゼット
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「ウォークインクローゼットがある間取り」は当たり前?

寝室からクローゼットを見たところ

寝室の中にウォークインクローゼットがある間取りは、多くの住宅で見かけます。夫と4歳の娘の3人家族である筆者の家も同様。2年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた際に、2階寝室にウォークインクローゼットをつくっています。

しかし暮らし始めてみると、寝室の中にウォークインクローゼットをつくって、残念に思うことも出てきました。ちなみに、筆者宅はこのような間取りです。

●1階
LDK、浴室、洗面所、ランドリールーム(兼脱衣所)、ファミリークローゼット(約2畳、筆者夫婦の普段着全般と、長女の服を全部、そしてタオルのストックなどを収納)、トイレ

●2階
主寝室+ウォークインクローゼット(約2畳、シーズン外の服や冠婚葬祭の衣類、小物類を収納)、子ども部屋、トイレ、納戸

 

わが家では、2つのクローゼットを使い分け

家族で使うファミリークローゼット

わが家には2つのクローゼットがあります。1階の脱衣所隣には、家族で使うファミリークローゼット(上写真)が。ここは約2畳の最低限のスペースで、筆者夫婦の普段着全般、そして娘の服すべてを収納しています。
 

2階寝室内のウォークインクローゼット

こちらは、2階寝室内のウォークインクローゼットとの様子。広さは2畳ほどあり、シーズンオフの服やアウター、冠婚葬祭の服、バッグなどを収納しています。

この寝室内のウォークインクローゼットは、設計士の作成した間取りをもらった最初の段階で、盛り込まれていました。筆者からは事前に要望は出していません。

ちなみに、1階クローゼットに関しては、「日常で使う服の収納場所」として要望を出しています。

そもそも、寝室にクローゼットをつくるつもりはなかった筆者。しかし、これがよく見かける間取りであったため、疑問を持ちませんでした。「着る頻度の低い服」をここにしまえばいいかな、となんとなく設計士の案を採用してしまったのです。

 

着る頻度の低い服を収納のはずが…

そんな経緯で、「着る頻度が低い服」を収納することとなったウォークインクローゼット。しかし現在、その目的はあいまいになりつつあります。スーツ着用の職種ではなかった夫が、仕事の都合でスーツを着るようになったからです。

もともとスーツは、「着る頻度が低い服」だったので、このウォークインクローゼットで管理していました。使う頻度が増えれば、1階のファミリークローゼットに移動させた方が、動線的に便利(わが家はリビングが1階、寝室は2階です)。

しかし、1階のファミリークローゼットは最低限の広さしかなく、使いやすさも考えたら、多少の余白は残したい…。そこで夫と相談し、結局、2階のウォークインクローゼットにそのままスーツを置くことにしました。

 

寝ている家族の横でゴソゴソすることに

寝室からクローゼットを見たところ

スーツ置き場が2階の寝室のクローゼットだと、移動距離のほかにも不都合が出てきます。

朝が早く夜が遅い夫は、現在大人と一緒に寝ている4歳の娘が寝ている横で、スーツ選びをすることになります。とくに日が短い冬は、電気をつけないと真っ暗で必要なものが見つかりません。

このウォークインクローゼットは、減額のためにドアをつけていないことも災いに。クローゼット内の電気をつけると、寝室までまぶしくなってしまいます。

加えて音の問題も。ゴソゴソとする音はやはり気になるものです。幸い眠りが深い娘は起きませんが、やはり好ましくはない…。夫の方も、娘が起きないかを気にしながら動かなくてはなりません。

また、「寝室に入ってから、わざわざその奥のクローゼットに」というワンクッション必要な動線そのものが、不便です。加えて、筆者としては、寝室のなかにクリーニングしていないものを入れたくない…という思いも。

そもそも寝室で着替えないし、寝室で使うものを置かないのに、なぜ寝室にウォークインクローゼットをつくってしまったのか。寝室で着替えないなら、寝室内につくるメリットが思い浮かびません。

なにをどこに収納するのかは、家づくりの段階で筆者が計画を立てていたのに…。固定観念に引っ張られて、設計士の案に流されてしまったと後悔しています。