玄関アプローチをしっかり検討することで、暮らしやすくて家の見栄えもグンとよくなります。10年前に二世帯住宅を建てる際、同居する高齢の祖母のことを考えてプランを練ることにした日刊住まいライター。ほかにも、駐車場は使いやすく、プライバシーは確保できるようにとさまざまな工夫をこらしました。できあがった玄関アプローチと、実際の使い勝手について語ります。
すべての画像を見る(全8枚)玄関アプローチはおしゃれさと高齢者への配慮がテーマ
筆者は10年ほど前に、両親が祖母と暮らす家を二世帯住宅に建て替えました。1階に両親と祖母、2階に筆者夫婦が暮らしています。
玄関アプローチは「家の顔」。家づくりでは、おしゃれにしたいと思いつつ、高齢者にとっても使いやすく安全であることが課題に。こだわってよかったと思うこと、後悔していることを紹介します。
圧迫感のない木のポールを目隠しに!室内丸見え問題解決
まず検討したのは、お客様や宅配業者が来た際に、アプローチから1階のリビングが丸見えにならないための対策です。目隠しになるものを設置することになりますが、壁やフェンスを設置すると圧迫感が出てしまうのではないかという懸念がありました。
そこで、間隔をあけて木製のポールを立てることにしました。ポールのサイズは6㎝角、高さ1300cm。ポールの設置幅は10cmです。
実際、ほどよい目隠しに。高さを抑え、10cmのすき間にすれば圧迫感もまったく感じません。
アプローチには枕木でおしゃれポイントを追加
玄関へとつながるアプローチなので、「なにかおしゃれなデザインになるものを取り入れたい」と外構業者に相談。すると枕木をいくつか置くことを提案されました。目隠しの木製のポールとも相性抜群です。
木となるとメンテナンスが気がかりでしたが、1年に数回定期的に防腐塗料剤を塗れば、極端に劣化することはないとアドバイスされたので、採用することにしました。
10年たった今でも劣化はあまり気にならず、よい状態を保っています。枕木は7か所だけなので、塗る作業もそれほど負担に感じていません。
駐車場はコンクリートに。グリーンをアクセントにして正解!
二世帯住宅とうことで、2台のクルマの出し入れが頻繁にある駐車場は、コンクリートにしました。砂利や芝生などの駐車場と比べると耐久性は高く、またクルマの出し入れもラクです。
家の立地の問題でもありますが、雨が降ると家の裏山から水が流れてくることもあり、砂利だと流されていたかもしれません。また、芝生だとコンクリートと比べると水はけに難があります。コンクリートにしたことで玄関アプローチが明るい印象になりよかったと思っています。
駐車場には部分的にタマリュウも植えました。タマリュウは比較的安価で、メンテナンスの手間もほぼかかりません。
植え替えする場合でも簡単です。無機質なコンクリートにちょっとしたグリーンを追加することで印象もだいぶ変わりました。
玄関前と玄関土間は、滑りにくい凹凸のあるタイルで統一
わが家の玄関前と玄関の土間部分は、連続して見えるよう同じタイルを使用しました。選ぶポイントは、滑りにくいことと、掃除がしやすいこと。当時80代の祖母が滑って大けがをしたら大変だからです。
凹凸のあるタイプですが、汚れも落としやすいタイルで、ゴシゴシ力を入れなくても簡単に汚れが落ちます。玄関回りの掃除もラクで助かっています。
玄関アプローチの段差は高齢の祖母を基準に決定
わが家は道路面から少し段差のある敷地。建て替え前の家も新しい家も玄関の部分は、地面との差が約90cmあります。この段差を高齢の祖母に負担にならないよう、対処しなければいけませんでした。
前の家の階段は段差が大きかったので、今回は段差をできるだけ低めに設置することが課題となりました。駐車場からの段差を20cm×3段、玄関前は15.5cm×2段とすることにしました。階段の数は多くなりましたが、1段を低くしたので祖母も上り下りがラクだと言ってくれています。