「パンがとにかく高い!」「電気代が月1万円増えた。漏電を疑ったほど…」など、食費や光熱費、生活必需品がどんどん値上がりして家計を直撃しています。値上げへの対策法を消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんが教えてくれました。
食費・光熱費は無理に削らず、見落とし支出を削減すべし
すべての画像を見る(全3枚)節約の大前提として、食費の節約は家族の健康に関わるので無理は禁物。削るべきはほかの費目と心得て。「見落としているムダがないかを探しましょう。とくに、生活が変化する3~4月は見直しに最適なタイミングです」(松崎さん)
【まず削るべき5つの支出】
「見落とし支出を削る」という大前提を理解したら、次に段階を踏んで支出を見直していきましょう。Check1から順番にハードルが上がるので、自分のペースで対策を。
●Check1 見えない支出 不必要な固定費を洗い出し
カード払いや自動引き落としのように、内訳が見えない支出にはムダが隠れがち。「利用していないサブスク、1か月無料だからと入って解約を忘れたオプションサービス料金など、定期的に見直しを。忘れていた出費はストレスなく削れます」
●Check2 先送り支出 面倒なものは期限を決めて
「見直せばいいのはわかっているけど、面倒で…」と先送りしている支出は、「この日までに見直す」と期限を決めると見直しに取り組みやすくなります。「スマホのプラン変更、見直した方が安くなる保険、続けるか迷っている習い事など、気になる支出を洗い出して」
●Check3 ルーティン支出 自分の浪費グセをチェック
「なんとなくコンビニでお菓子を買う」「100円ショップで散財」など、クセになっている浪費は意外に多いもの。「レシートやスマホ決済の履歴を見直し、『ついムダ買いしてしまう』店は意識的に行く頻度を減らして」
●Check4 もったいない支出 クーポンは必要なときだけ
クーポンやポイントがあると、もったいないと思って必要ないものまで買ってしまいがち。「買い物は『安いから』ではなく、『必要だから』買うのが鉄則。必需品のメモをつくり、それに使えるクーポンがあるときに買うのが賢い利用法です」
●Check5 ごほうび支出 予算を決めて使いすぎ防止
自分へのごほうびは生活にうるおいを与えてくれますが、つい歯止めがきかなくなりがち。「ゼロにしなくてもOK。家計から出していいと思える額で予算を決め、使いすぎを防ぎましょう。後ろめたさもなくなって、やりくり意欲も高まります」
●まだまだ削れる3つの支出
5つの支出の対策ができたら、応用編にチャレンジ。値上げが気になる食費や光熱費は、「家族で」「定期的に」「必需品以外をチェック」を意識して見直してみて。
【固定費:家族みんなで対策を】
固定費は家族で見直すのが成功のカギ。「通信費ならスマホに詳しい子どもに聞く、夫にネットでリサーチしてもらうなど、1人でやるより効率よく、ストレスなく見直せます」
【食費:必需品以外を見直す】
食費は、「必需品」、「嗜好品」、「外食」、「プレジャー支出(試してみたい新製品など)」に分けてチェックを。「必需品以外で増えがちな支出を探り出して、重点的に見直すと効果的」
【水道・光熱費:家電のフィルター掃除をする】
節電で忘れがちなのが家電のフィルター掃除。「エアコンはもちろん、浴室乾燥機や空気清浄機、ドライヤーなど、フィルターがつまると余分な電気を使います。定期的に掃除を」
そのほかにも、ESSE3月号「値上げの理由、わかりやすく教えてください」では昨今の値上げがどうして起こっているのか、今後の見通しなどを漫画で解説しています。ぜひご覧ください。