勝手に捨てるのはご法度

勝手に捨てるのはご法度
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 私の身内にもいますよ、ライナス坊や。赤ちゃんの頃から手ばなせないブランケットは、数年の時を経て小学生に上がる頃にはボロんちょに。やがて手のひらサイズにまで小さくなりましたが、まだ捨てるタイミングではないそうです。今は持ち歩いたりすることもなくなり、ブランケットなしでもお泊まりができるようになりました。

 すばらしいのは、彼の母が、「捨てる」という言葉を発さず、子どもの気持ちを尊重し続けたこと。そして、彼のおかげでこの記事が書けています。

 ライナスの毛布はいわば精神安定剤。無理に引き離してはいけません。逆に、ほかになにか夢中になる対象が見つかれば、嘘のようにサッパリ卒業することもあるとか。

 私なんかストレスを感じたら、パーっと買い物したり、たくさんお酒飲んだり、バカスカ食べたり。いろんな抜き方をしていますが、もしも、ライナスの毛布があったならば、それを抱きしめるだけで楽になる。なんちゅう画期的。そして、なんちゅうコストパフォーマンス!そう思いませんか?

ものへの執着は愛情深い証拠

 それに、ものに対して深い愛があるって素敵だと思うんですよね。ものへの愛の度合いは持ち主じゃないとわからない。子どもの持ち物整理でいちばんやっちゃいけないことは、「勝手に捨てること」なのです。

 私の身近なライナス坊やのママのように、手ばなせる日まで「見守る」ということが最良。大きくなっても、ぬいぐるみやブランケットを手ばなせないなんて声も聞きます。大人のライナス坊やもどうやら少なくないようです。

 でも、単純にそこにあるだけで落ち着くお気に入りがあるって幸せなことですよね。そんな安心感という宝物を勝手にポイしちゃったら、あとから重大な人間関係の問題になるかもしれません。長い目で見守ることから始めてみましょう。

【阪口ゆうこさん】


整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。「

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