病院に行くほどではない不調を医師が解決! 今回は、手の痛みやしびれを感じるという悩みに、麻酔科指導医の富永喜代先生が答えてくれました。
朝起きると、手が痛かったりこわばったり…悩みに答えます
すべての画像を見る(全2枚)【お悩み】
朝起きたときに、指先がこわばり、関節に痛みがあります。放っておいても大丈夫ですか? マッサージなどで、症状がよくなるものなのでしょうか。(真砂子さん・50歳・群馬県)
●指の関節に痛みやこわばりがあれば「へバーデン結節」の可能性
手指が痛む疾患にはさまざまなものがありますが、なかでも閉経後の女性に多いのが「へバーデン結節(けっせつ)」です。指の第一関節に痛みやこわばりなどの症状が出て、進行すると手指の変形が始まり、激痛も。ところがこの疾患は治療法が確立していないので、痛みを我慢している人が多いんです。
●マッサージで症状の悪化を食い止めて!
そこで「へバーデン結節外来」では、私が考えた「10秒神経マッサージ」を患者さんに指導しています。手指の痛みに関わる「神経ポイント」に刺激を加えるマッサージで、人さし指のつけ根などにある神経ポイントに「親指の爪」を10秒間食い込ませて刺激するもの(イラスト参照)。
朝と夜の1日2回、毎日続けることで痛みが軽減していきます。手首などにも神経ポイントはあるのですが、詳しいやり方はオンライン診療での指導となります。
●「手を冷やさない」ことも大事
また、暮らしのなかで気をつけてほしいのは「手を冷やさない」こと。冷えは、心身を緊張させる交感神経を優位にし、血管も収縮させて手指の血流を悪くしてしまいます。その結果、より痛みを感じやすくなってしまうのです。手袋などで常に温かくしてください。なお、起床時に指先がこわばるのも、夜、手が冷えて血流が悪くなるのが大きな原因です。なので、就寝時には薄手のコットン手袋(100円ショップのものでOK)をして「手首」と「指の股」を冷やさないようにするのがおすすめ。指先をおおわれると気になって眠りづらい人は、指先をカットするといいですよ。