『ドラえもん』のスネ夫役をはじめ、『鬼滅の刃』の不死川実弥役や『呪術廻戦』のパンダ役など、話題作に多数出演している人気声優・関智一さんの暮らしのエッセイ。今回は、12月4日に無事に千秋楽を迎えた、関さん主催の劇団ヘロヘロQカムパニー『立て! マジンガーZ』の裏話ついてつづってもらいました。

◆前回のお話はこちらから◆

声優・関智一さんが新型コロナに。療養生活の「孤独」で気づいた本当に大切なこと

劇団ヘロヘロQカムパニー・『マジンガーZ』への挑戦!

劇団の集合写真
関さんが主宰する「劇団ヘロヘロQカムパニー」
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僕は、ヘロヘロQカムパニーという劇団を主宰しています。仲間たちと20代から立ち上げておよそ30年、ジャンルに拘らず、コメディ、アクション、推理など多岐にわたって、舞台公演を上演し続けてきました。

そんな劇団の最新作は『マジンガーZ』の舞台化。そう、昭和47年アニメで放送された、永井豪先生原作のロボットアニメ…あのマジンガーZです。

●きっかけは約3年半の公演中の楽屋だった

男性と女性
旗揚げメンバーでもある、長沢美樹さんと関さん

まず本作を上演するに至った経緯は、今から3年半程前に遡ります。劇団の公演中の楽屋で、次回作はなにがいいのか、可能不可能に拘らず、出演者一同で意見を交わしました。話は次第に脱線し、舞台化の難しそうな作品大喜利に。

話題に上がったものの1つが「巨大ロボットアニメの舞台化」。さまざまなタイトルが話題にあがっては消え、あがっては消え…その中に今回舞台化したマジンガーZがあったというわけです。

そのときは難しいだろうと笑い話で終わりましたが、僕の頭の片隅にマジンガーZが残っていて、時間ができるたびに舞台化する方法はないものかと夢想するようになりました。

いちばんの難題はどのようにあの”巨大ロボット”を表現するのか。もちろん、18メートルのロボットを実際につくるわけにはいきません。たとえつくったとしても、とても劇場には入りません。

演劇の特性を生かして、そこにあるもののように芝居をして、お客さまに想像していただくか…なにかほかに方法はないものか…グルグル考えを巡らすうちに、頭部だけならつくれそうだと算段が立ち、その方向で内容を検討し始めました。

頭部
舞台上で実現した「パイルダーオン」

マジンガーZはその頭部に、「ホバーパイルダー」という小型ホバークラフト型の空飛ぶコクピットが合体し、操縦が可能になる巨大ロボット。「パイルダーオン」というその合体こそがマジンガーZの見せ場の1つで、どうせ頭部を実物大でつくるなら、このパイルダーオンをしない手はない! このパイルダーオンが舞台上で実現できれば、マジンガーZの舞台化として大きな目玉になるはず。

実現するための相談を進めながら、このパイルダーオンがクライマックスになる物語も同時進行で考えてゆく。さまざまなスピンオフもつくられているマジンガーZで未だ語られていないストーリーはなにか…。