スタイリスト・山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前?」という素朴な疑問から、「この服のスタイリングはどうしたらいい?」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある!」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。
もこもこアウターを大人が着こなす際の注意点は?
いよいよ、冬本番という寒さになってきましたね。こんな時季は、暖かいアウターが手放せなくなりますが、ファーやボアなどの「もこもこアウター」は持っていますか?
もこもこアウターはとってもかわいくて私も大好きなのですが、「着こなしに迷っている」というお声も多くいただくアイテムです。どんなお悩みがあるのでしょうか? さっそく見ていきましょう。
●もこもこアウターは若見えしすぎちゃう!?
すべての画像を見る(全4枚)これはめちゃくちゃ恥ずかしい(笑)! でも実際、こんな着こなしは「あるある」です。「もこもこアウター」を「ゴージャス系」ではなく、「そこそこカジュアル」に着こなすさじ加減は、難しいんです。デニムやスニーカーなど、カジュアルなアイテムばかりを考えずに合わせてしまうと、若い着こなしになりすぎて、40代50代の私たちが着ると不思議な感じになってしまう恐れも…。さらに、着膨れして見えたり、派手に見えたり…という点にみなさんお困りのご様子。
そこで今回は「もこもこアウター」の選び方から着こなしまで、攻略ポイントをまとめてお教えします!
●大切なのは、「素材合わせ」と「色選び」!
(1) 「毛足短めファー」なら、ほどよくカジュアル見え!
まずは選び方! 豊富に種類があるもこもこアウターですが、もし普段使いするものなら、「ファーの毛足は短め」というか、「長すぎないもの」がおすすめです。
毛足が長いものは、一見すると華やかでつい手に取りたくなりますが、思った以上にゴージャスに見えてしまいます。また、ベストで取り入れると「マタギ」のように見えてしまったり…と、着こなしが難しい。もちろん、上手に着こなせばすてきに見せられますが、「気軽に着たい!」「いろいろなものに合わせたい!」と考えているようなら、毛足の短いもののほうが断然使い勝手がいいです。
(2) 正反対の「てろ素材」を合わせ、着ぶくれを防止!
次にコーディネートのコツですが、「もこもこアイテム」を1点でも使ったら、ほかのアイテムはなるべくボリュームのない素材のものを選ぶこと。要は「もこもこに、もこもこを合わせない!」ということが、着ぶくれして見えないコツです。これ、当たり前のことなのですが、意外とみなさん、厚手のニットに重ねてしまったり、ボリュームのあるフードパーカに羽織ってしまったりと、やってしまっているんです。
もこもこアウターを着るなら、インナーはハイゲージのニットや薄手のリブニットなど、「適度に体にフィットするもの」を選ぶこと! さらにボトムは、もこもこ素材とコントラストをなすような華奢な素材である、サテンなど落ち感のある「てろ素材」を合わせると、すっきりと見せられます。デニムやスキニーなどでもOK! コーデュロイパンツはややボリュームが出てしまうので、やめておいたほうがいいかもしれません。
(3) 色数を抑えて大人の着こなしに
さらに、大人の着こなしに大切なのは「色使い」です。「もこもこアウター」はアイテム自体にパンチがあるので、色まで派手なものを使ってしまうと、子どもっぽい印象に。ですから、「色」は引き算するくらいがちょうどいい。
黒、グレー、ベージュなど、ベーシックカラーを中心としたカラーリング、かつ色数を1、2色くらいまでに抑えることで、ぐっと上品に大人っぽく、洗練された雰囲気に見せることができます。マルチカラーやチェック柄のマフラーなどを巻いてしまうと、(あまりよくない意味で)「若く見えて」しまうので、注意!