敷地面積が小さくても、周りに家が立て込んでいても、窓を上手に配置すれば、ゆったりとくつろげる家になります。また最近は、玄関を広い土間スペースにして、もうひとつの部屋として利用する間取りが人気。満足度の高い家づくりのヒントは、窓と玄関にアリ。間取りを考える際の参考に。
すべての画像を見る(全9枚)CASE1.たくさんの小さな窓で、プライバシーと採光を両立
●Mさんの家 東京都 設計/アソトシヒロデザインオフィス 撮影/松井 進
隣地に囲まれたM邸は、小さな正方形の窓を市松に配した2階LDKの壁が印象的です。プライバシーを守りつつ開放感を実現するため、大きな窓の代わりに小さな窓を市松に配置。外からの視線は気にならず、空を望むこともでき、外観デザインにも個性を添えます。
LDKには、階段をはさんで家族が並ぶスタディコーナーを配置。「それぞれの席に座ると、窓を避けて、目の前が壁なっているので気が散りません」と妻。
設計した阿蘓俊博さんによると、市松にすることで構造計算には反映されない強度も期待できるそう。
また、市松の窓に加えて、LDKには2つの天窓があります。開放感を高めつつ、床にこぼれる日だまりが、心地よさを高めてくれます。
一方、1階は個室や着替え室などの適所に高窓を用いてプライバシーを確保。
暗くなりがちな階段にも光が入ります。
1階の玄関は、日の明るさを抑えた落ち着いた空間。採光を抑え、上下階でコントラストをつけています。