毎日使う冷蔵庫。家族全員が使ううえ、いつも同じものが入っているとも限りません。だからこそ、整理方法に悩まされている方も多いでしょう。
「片づけのプロである私自身も、試行錯誤してようやく、自分や家族にとって使いやすい冷蔵庫整理の方法を見つけることができました」と語るのは、ライフオーガナイザーの下村志保美さん。詳しく伺いました。
これまで合わなかった冷蔵庫の収納法
冷蔵庫が使いにくいと、時短家事はあり得ません。
「これまで、さまざまな冷蔵庫整理術を試してみたけど、うまくいかなかった」という人。それはあなたが片づけ下手だからではなく、自分に合ってない方法だったから。
私もたびたび失敗をしていました。
●使いこなせなかった「〇〇セット」
私は以前、「朝のパンセット」としてバターやジャムをまとめたり、「和食セット」としてお漬物や佃煮などをまとめたりする方法をマネしたことがあります。
しかし、カゴなどにまとめると中身が見えないし、その中のひとつだけ、たとえば夕食にバターだけ使いたいというときに取り出すのが面倒。使ったあとに戻すひと手間もストレスでした。
いただきものなどでジャムや漬物の数が増えたとき、カゴにうまく入らなくて「どうしたらいいの?」となることも。
さらに、まとめているカゴ自体が汚れてきて、それを洗うのもまたひと手間。
こんな理由で、私に「〇〇セット」は使いこなせませんでした。
冷蔵庫の中をエリア分けして死蔵品をなくす!
今は、エリア分けするという方法で、冷蔵庫の中をすっきり使いやすく整えています。
●奥行きをなくして「ひと目でわかるエリア」だらけにする
冷蔵庫整理でいちばん大切なことは、期限ぎれの食品を出さないこと。
ですからひと目でわかる収納を心がけています。
いわゆる常備菜は冷蔵庫をあけたらすぐに目に入ってくる場所に。
わが家の冷蔵庫は棚板を調整できるので奥行きを浅く、その代わり棚板の段数を増やして、「奥」がないようにしています。
収納できる食品の量が減りますが、冷蔵庫の奥に死蔵品がなくなるので、入れている食品を把握し、使いきれるように。
また、棚板をアレンジすると手前に大きなスペースができるので、お鍋ごと冷蔵したいときやケーキなどを買ってきたときにも便利です。
●死蔵品を生み出しやすい上段には「覚えていられるもの」を
冷蔵庫の中の使いやすい、目に入ってきやすい場所は限られています。
上段は目に入らないので死蔵品を生み出しやすい空間。そういう場所には「覚えていられるもの」を入れています。
最上段には粉類とみそ。
上から2段目は開封前の卵や牛乳など、比較的大きくて忘れないものを入れるようにしています。
あまり使わないから、と普段使いしないスパイスなどを入れてしまうと、存在自体を忘れてしまうので、あえて「絶対使う」忘れないものを入れています。
●整理収納に一般的な正解はありません
「こまごましたものはひとつにまとめて」とか、「あまり使わないものは不便な場所でOK」など、一見当たり前で正解のように見える方法が世の中にあふれていますが、すべての人にその方法が合うわけではありません。
大切にしたいのは、自分がストレスなく片づいた状態を維持できるかどうか。
カゴなどを使って一瞬の片づいた状態をつくることよりも、「それが続けられるか」ということが整理収納では重要です。
片づけや収納の情報は世の中にたくさんあります。参考にしながら、自分に合う方法を選んでください。