30年以上にわたって、舞台を中心に活躍してきた岡本健一さん。11月21日より始まる舞台『建築家とアッシリア皇帝』へ挑む心境とあわせて、男闘呼組の再結成についても伺いました。

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岡本健一
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岡本健一さんインタビュー「自分の好きな服だけを着ていたい」

インタビューが行われたのは、間もなく始まる舞台『建築家とアッシリア皇帝』の稽古場。まず撮影から…とお願いすると、岡本健一さんは私服姿のまま、すっとカメラの前へ。

「スタイリストさんに頼むこともできるけど、用意してもらった服が今日の気分に合わないな…ってこともあるじゃない? それがいやなんです。自分の好きなものだけを着ていたい。あと着替えるのも面倒くさいし。中に着ているのは、自分のバンド『ADDICT OF THE TRIP MINDS』のTシャツなんだけど、首のところに穴があいちゃって…。でも中途半端に破れてると恥ずかしいから、自分で穴を広げた(笑)」

今回の舞台は、フランスで活動したスペイン生まれの劇作家、フェルナンド・アラバールの代表作。絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた、自らを「皇帝」と名乗る男が、島に先住する男を「建築家」と名づけ、教育を施そうとするなかで、心の奥底にひそんでいた欲望や罪の意識があらわになり…というストーリーの2人芝居です。

「登場人物が予想もつかないことをすると、どうしたって観る人は引き込まれるし、想像もしていなかった感情になりますよね。そういう場面が満載の作品です。今までいろんな台本を読んできたけど、ここまで衝撃を受けたのは初めてですね。この戯曲は1960年代に書かれたものですが、当時はすごく過激な作品として、演劇界で話題になったそう。それと同じくらいの衝撃を、今の東京でも与えてみたいですね」

●50代になって、ちょっとは“舞台俳優”らしくなったかな

10代でジャニーズ事務所に入り、ロックバンド「男闘呼組」を結成。その一方で19歳で初舞台を踏んで以来、舞台の世界に魅了されてきたという岡本さん。30年以上にわたって演劇界の第一線で活躍してきた功績が評価され、いくつもの賞を受賞してきました。そのモチベーションは、どこから来るのでしょうか。

「“舞台俳優”っていう響きが好きだったんですよね。世間的に広く知られているわけではなくても、舞台上ではすごいエネルギーをもっていて、観る人を泣かせたり、笑わせたりして、感情を揺さぶってくる。そこに惹かれて、俺もそうなろうと決めた。そのためには、舞台をやり続けるしかないじゃない? でも自分がどんなにやりたいと言っても、オファーが来なければ出られない。だから一本一本がオーディションですよね。目の前の作品をとにかく命がけでやって、次に来なかったら自分がだめだったんだなと。それを繰り返していたら、いつの間にかこうなった。50代になって、ちょっとは舞台俳優っぽくなってきたんじゃないかな(笑)。でも60、70、80代の先輩方の域には全然達していないんですよね。自分はまだいろんなものにとらわれているから、先輩方のようになるには、もっと自由にならないと。今も好きなことしかやってないけど、その追求度が浅い気がしますね」

●29年ぶりの再結成。全員気合が入ってました

岡本健一さん

俳優として高く評価されると同時に、今年の夏には29年という長い時間を経て、「男闘呼組」が期間限定で再結成することに。久しぶりの音楽番組への出演も話題となりました。

「テレビ局に行くのも本当に久しぶりで…。楽屋もきれいだし、入館手続きもハイテクになってて驚いた(笑)。放送後は親戚や同級生からも久しぶりに連絡が来たから、やっぱりテレビの影響はすごいよね。だからこそ、いつも以上に真剣にやらないと足元をすくわれちゃうなっていうのはありましたね。収録当日も、メンバーみんな緊張してて…。(高橋)和也なんて演奏中にベースの弦、2回も切ってたからね。ベースの弦って太くてなかなか切れないのに、『おまえ、どれだけ気合入ってるんだよ!』って言って(笑)。でも、そのエネルギーが観た人にも伝わったんじゃないかな?」

舞台と音楽、ジャンルは違っても“生の空間である”ことが、岡本さんにとっては重要な魅力。

「舞台では何日間も稽古してつくり上げて表現するようなことが、音楽だとたった3分くらいで表現できたりするから。やっぱり音楽は音楽で、舞台とは違う力があるんですよね」

 

好評発売中の『これからの暮らしvol.3』(扶桑社刊)では、岡本健一さんのさらに詳しいインタビューを掲載しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

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