築60年の一戸建てをフルリノベーションして実現した、建築家の松浦怜子さんのキッチンを訪ねました。調理の最中に家族が入って来ないよう、冷蔵庫は廊下に配置。ゴミ箱もダイニング側に。だれにもジャマされず、自由に集中して使える、広いキッチンが誕生しました。
すべての画像を見る(全15枚)約6畳の広々したキッチンは、集中できる調理の場
20年以上も空き家だった築60年(購入時)の一戸建てをフルリノベーションした松浦さん。1階にあったキッチンを2階に移動し、ダイニングやリビングとひと続きになる、ゆったりとした間取りに変更しました。キッチンは約6畳と広々しています。
「以前住んでいた家のキッチンは、一般的な広さ&配置だったんですが、調理しているときに夫や子どもが入ってくると、狭くて使いにくいなと感じることも。だから、自分の部屋のように自由に使える広いキッチンにしたかったんです」
また特徴的なのが、キッチンに冷蔵庫がないこと。家族が飲み物や食べ物を冷蔵庫から出し入れする際、キッチンに入ってこないですむようにと、廊下に配置。家族みんなが使うゴミ箱もダイニング側に置きました。
松浦さんの家のDATA
- 所在地:東京都
家族構成:夫40代 妻40代 長男8歳 二男5歳
建物:木造2階建て
延床面積:141.61㎡(1階74.53㎡、2階67.08㎡)
ミーレの食洗機にこだわり、ネットオークションで落札
キッチンの設備で松浦さんがこだわったのがミーレの食洗機。大容量なうえに、扉が90度開くので、洗い物の出し入れがスムーズにでることに魅力を感じていました。
限られた予算のなか、ミーレの食洗機がついているシステムキッチンを探すために利用したのが、ネットオークションサイト。
「展示品の中古が安価で出品されているのを発見。実物を見ることができないのでリスクはありましたが、とにかくミーレの食洗機が欲しくて。IH調理器、レンジフードもついて約50万円で落札しました」
食洗機のおかげで、家族4人分の食器をまとめて洗うことができ、基本的に1日1回ですんでいるそう。
今回のリノベーションで、大きな出費がともなう設備はシステムキッチンのみ。キッチン家電や家具は以前から使っていたものや、購入した家に残されていたもの、人から譲り受けたものを使っています。
あるものをうまく活用して予算を抑えつつ、使い勝手のいいキッチンが実現しました。
よく使う調味料や器は、窓上に取りつけたIKEAのオープン棚に収納。
キッチンの壁は一部が木製ですが、これは昔ここが洋間だった名残。ヴィンテージ風のデスクは、子どもの学校からの配布物や手紙などを、さっと読んで片づけるスペースに。
キッチンにそろえたお気に入りのアイテム
陶芸家・倉前幸徳氏による長角皿。刺し身や焼き魚、卵焼きなど和食との相性が抜群。
長い間新品のまま実家の倉庫に眠っていたという両手鍋。レトロな雰囲気たっぷりです。
IKEAで購入したコーヒーメーカー。ステンレスフィルターに紙フィルターを装着して愛用中。
パエリア鍋は義母からのプレゼント。鉄製なのにとても軽いので使い勝手がいいそう。
3日に一度は自家製ヨーグルトとパンつくります。ヨーグルトメーカーとホームベーカリーは必需品。