持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「身近な市販品のエコな変化」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。

食品が入ったスーパーのレジかご
スーパーに並ぶ商品の「エコな波」探してみませんか?
すべての画像を見る(全6枚)

関連記事

化粧品を使いきる節約アイデア。意外なあき箱がメイクパレットに

スーパーに並ぶ食品に“エコの波”が到来!

先日スーパーでこんな表示を見つけました。

シャウエッセンの告知プレート

皆さんもすでにお気づきかもしれませんが、日本ハムの「シャウエッセン」のパッケージが今年始めから変わりましたよね。その理由はご存知でしたか?

この案内によると、内容量はそのままで、パッケージの巾着部分をなくすことでプラスチックの使用量を28%もカットできたそうです。「そんなに減るんだ!」とビックリするとともに、ただ変えるのではなくYouTubeで、巾着部分を切り落とす“断髪式”の動画もアップ。ユーモアをまじえた動画による発信はとても効果的だと思いました。

私自身、もともと上の部分は食べる時に毎回“断髪”していたので、消費者としてもこれでまったく問題ございません! 大幅なプラスチックの削減になるのはとてもよいことで、ちょっとうれしくなりました。

 

●プラスチックの削減は環境にも大きく影響

プラスチックについては以前このコラムでも書きましたが、たしかに便利ではあるものの、環境への悪影響が大きいのです。エコへの意識が高いヨーロッパ諸国(EU)では、使い捨てプラスチック食器などの流通を禁止する法案が2021年7月に施行されましたし、イングランドでは、2020年10月からプラスチック製のストローやマドラーなどの供給が禁止されています。なにせ日本のプラゴミ排出量は、世界でもトップクラス!(世界第2位)年間940万トンのプラゴミが排出されているのです。

しかし、日本では、プラを禁止する法律ではなく、2021年4月に施行されたプラ新法も、「プラスチックは、えらんで、減らして、リサイクル」が基本原則となっています。もう少し踏みこんでもいいのではないかと思います。

それはさておき、そのほかにも食品メーカーの環境に配慮した取り組みを探してみると、いろいろありました!

 

●電子レンジ対応のレトルトパウチ食品

電子レンジ対応レトルトカレー

こちら、おなじみのカレーのパッケージですが、「レンジで簡単!!」とあります。これもじつは環境への配慮につながっているのです。湯せんにした場合のCO2排出量と、電子レンジで温めたときのCO2排出量を比較すると、レンジの方が約80%削減できるそうです。レンジ対応にするためにレトルトパックの素材も新しくし、あけくちもだれもがあけやすいユニバーサルデザインに! レンジ対応でも同じおいしさを保つために味づくりも再調整するなど、写真のカレーをレンジ対応に変えるのに約7年かかったとか。

湯せんってついつい必要以上にぐつぐつと火にかけてしまいがち。レンジなら時間が決まっているので安全、かつ光熱費も節約できます。長年の習慣で「レトルト食品は湯せんするもの」、というイメージが強かったのですが、これからはレンチンに変えてみようと思いました。

関連記事

鍋でゆでる、電子レンジで加熱。どっちが電気代の節約になる?