コロナ禍でおうち時間が増えるなか、ウッドデッキを取り入れた住まいづくりが人気です。戸建てだけでなくマンションでも可能。アウトドア空間として楽しめるウッドデッキのつくり方などについて、一級建築士の中田裕一さんに聞きました。実際に手掛けた事例を使って、その魅力を紹介。新築やリノベーションの参考に。
すべての画像を見る(全11枚)気軽にアウトドア感、リモートワークの息抜きにも最適
ウッドデッキの魅力は、「室内と屋外のちょうど中間地点で、家にいながらアウトドア感を味わえるところ」(中田さん)。
以前は新築またはリノベーションに付随してつくる人がほとんどでしたが、最近ではウッドデッキのみの依頼も多くなったそう。コロナ禍により家で仕事をする機会が増え、休憩したりリラックスしたりする場所が欲しいと考える人が増えているようです。
「屋外のリビング」をテーマにしたウッドデッキの例
●DATA
- I邸 神奈川県
建物:木造2階建て(改築)
家族構成:夫婦+子ども2人
ウッドデッキ面積:30㎡
ウッドデッキ工事費:約135万円
築40年の中古物件を購入した際についていた、日当たりも水はけも悪い雑草だらけの庭をリノベーション。「屋外のリビング」をテーマにウッドデッキを全面に張り、掘りごたつのように腰かけてバーベキューや足湯などを楽しめる半円形のスペースを設けました。
また、部屋のようにくつろげる場所にするために、土足はやめてデッキ用スリッパを用意。ゲタ箱と七輪などバーベキュー用品を入れる収納を設置しています。
デッキを半円形にくり抜きモールテックスで仕上げて、バーベキューテーブルなどを置くスペースにしています。足湯にしたり、水遊びしたりも可能!
費用は小規模なバルコニーなら10万円から。材料次第で大きな違いが
費用は材料の価格によって異なります。中田さんによると、広さ4㎡(幅4m×奥行き1m)のマンションのバルコニーの場合、ホームセンターなどで売られているDIY用の安価なデッキ材を用いれば、材料費5万円+施工費5万円=10万円くらいからつくることが可能。
DIYなら材料費の5万円でできますが、安価な材料は劣化も早いことを考慮しておく必要があります。
メンテナンスは、2年に1回保護塗料を塗布。浸透タイプは木の質感を楽しむ
「ウッドデッキの木材はささくれが起きやすいので、180番くらいのやすり(耐水ペーパー)でこすってから、キシラデコールなどの保護塗料を。2年に1回くらい塗るのがおすすめです」と中田さん。
保護塗料には塗膜をつくって水をはじくものと、木の内部に浸透して防腐効果を発揮するタイプがあり、浸透タイプのほうが自然な木の質感を楽しめます。
露天風呂とサウナを備えたウッドデッキの例
●DATA
- F邸 静岡県
建物:木造2階建て(新築・別荘)
ウッドデッキ面積:50㎡
ウッドデッキ工事費:約230万円
オーナーの別荘の庭を会社のスタッフも使えるアウトドア空間にするため、ウッドデッキを設置。バーベキューをするなど大勢でコミュニケーションが取れるように広めのスペースを確保し、メンテナンスフリーの「ランネルデッキ」(サンワカンパニー)という樹脂製の商品を採用しています。
海が見える立地であることから、明るい雰囲気を重視してライトグレーの人工木を採用しています。
屋外空間用の収納があると便利。夜、楽しむのなら照明も
ウッドデッキにあると便利なもの。中田さんのおすすめは、屋外空間用の収納です。アウトドア用のイスやテーブルなどをしまっておけば気軽に出し入れができ、ベンチなどをつくりつけるより、ウッドデッキをフレキシブルに使えます。
夜にバーベキューをするなら、照明計画も忘れずに。「デッキに小さな穴をあけて照明を設置し、足元灯のように照らしても。電源がいらないソーラータイプもあります」。