都会にある建築面積わずか11坪の木造3階建て新築住宅です。住んでいるのは、共働きの30代夫婦と子ども1人。広い踊り場を中心としたスキップフロアのプランになっていて、コンパクトでも広がりがあり、戸外を感じられる家になっています。プールや家庭菜園を楽しめるインナーテラスが各階に。屋上にはそとごはんを楽しめるテラスも。
すべての画像を見る(全29枚)コンパクトでも、楽しい居場所がたくさんある家
Kさんの家 東京都 家族構成/夫37歳 妻37歳 長男3歳
設計/西久保毅人(ニコ設計室)
「この夏は、プールを出してよく遊びました。コロナも熱中症も心配で、なかなか子どもを公園にも連れていけなかったけど、ここなら大丈夫。友達にも、『お風呂にもそのまま入れられるから、子どもの着替えだけ持って遊びにおいで〜』って」(妻)
そんな楽しいインナーテラスがあるKさんの家。
水で洗い流せるクレヨンでガラスにお絵描きしたり、プランターでミニトマトや唐辛子などを育てたりとアウトドア感覚で楽しめる空間で、テラスとつながる浴室も開放感たっぷりです。
もともとアウトドアが大好きで、とくに南の島によく遊びに行っていたという夫妻は、「コンパクトでも広がりがあり、外を感じられる家」を希望。設計の依頼を受けた西久保毅人さんは、半屋外空間であるインナーテラスを含む各部屋が、半階ずつズレながらつながるスキップフロアの3階建てをプランしました。
アウトドアを楽しむ家のこだわりポイント
インナーテラスや敷地のコーナーに配した緑によって、室内にいてもアウトドア感覚を楽しめるKさんの家。屋外を感じさせる素材や色使いもポイントです。
1.建物の角を斜めにカットし外部を取り込む
住宅密集地でも近隣の目線を気にせずに過ごせるように、四角い建物の角をカット。窓を斜めに向けることで視線をずらし、外には植栽を配して目隠ししつつ、緑を身近に楽しめるように工夫しています。
2.プール遊びや家庭菜園が楽しめるインナーテラス
斜めにカットした部分に、インナーテラスを設置。デッキを張って、プール遊びや家庭菜園などを楽しめる半屋外空間としています。室内から気軽に行き来できるのも魅力です。
3.インナーテラスとつながる広い踊り場
インナーテラスから半階下がったところにあるのが、各階をつなぐ踊り場。こちらも屋外を感じられる空間で、冬にはコタツを置いて鍋を楽しんだりしているとか。「雪の日に外を眺めるのもいいですね」(妻)。
4.浴室がインナーテラスと直結
2階に配された浴室は、インナーテラスとつながる開放的な空間。窓を開ければさわやかな風が入り、露天風呂気分も味わえそう。プランターへの水やりや、プールで遊んだあとにすぐシャワーを浴びられるのも便利です。
5.踊り場に面した庭を見下ろす
インナーテラスを介して屋外を感じられる、踊り場の反対側のコーナーには、大きな窓が設けられており、外と直接つながっています。
こちら側の庭には、今年の夏に加わったというミョウガも植えられています。
6.緑を眺めながら食事ができるダイニングキッチン
1階ダイニングキッチンの斜めに切り取られたコーナーにも、大きな窓を設置。手前にはカウンターテーブルがつくりつけられており、緑を眺めながら、食事はもちろんリモートワークも。
ランタンのような照明もアウトドアを感じさせます。
7.室内に外部を感じさせる素材を使う
踊り場の道路側の壁面には、「外壁用のジョリパットを内壁に使うことで、屋外のような雰囲気を出しています」と西久保さん。
2階の階段部分の板張りの壁は、薄いグリーンに塗装しました。
8.そとごはんも楽しめる眺めのいい屋上テラス
眺望抜群の屋上テラスでは、家族でそとごはんを楽しむことも。「天気のいい日には思いっきり布団を干すことができて、気持ちがいいです。3階のテラスでは洗濯物を干したり乾物をつくったりしています」(妻)。