●そろそろエンディングノートを用意する

ノート
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石黒さんは、遺言は紙に自筆で残したいという気持ちから、仕事の打ち合わせに持っていた牛革表紙のノートをエンディングノートにしています。

「まずはわが家のレシピを残したいと思いました。でも、時代で道具が違うのだからつくり方が違う。食材も調味料も違ってくる。料理は持っている道具でつくれるものを自分のやり方でつくればいいと思うようになって止めました。私自身が実家の味を懐かしんでつくる料理のレシピを受け継いでいません。こんな味だった、こんな盛りつけだったという記憶を頼りにつくります」

また、庭の草木を季節ごとに書いて残そうとしたことも。

「書き始めたら200種以上にもなって、枯れる木もあれば、根元から伐採する木もあり、ご近所から分けていただくことも、風に飛んでやってくる種で芽が出る花もあるのだからきりがないと止めました」

 

●エンディングノートに書き残すのはひとつだけ

「形見分けは身内のほか、機会あるごとに息子の友人達が遠慮なく貰ってくれるので、そんなには残らないはず」と話す石黒さん。保険のことなどは、ファイルにしてあるので問題ありません。

結局、用意したエンディングノートに書き残すことはひとつだけに。

「遺言
私が死んだら
通夜も葬儀もせず棺にはなにも入れないでください。
花も本もいらない。
骨は火葬場で廃棄して持ち帰らないでください。
遺言ですと言えば処分してくれます。
だれにも知らせないでください。
留守電・パソコンのメールにも返信不要です。
少しは迷惑をかけることになるけれど
死んだのだから許してください。
さようなら」

 

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