小さな手のひらにスマホなどのデジタル機器を持ち、YouTubeやゲームに興じるわが子。果たしてこれでいいのかどうか…。思い悩む現役子育て世代に、保育士歴14年目・てぃ先生が、アドバイスをくれました。

関連記事

子どもに伝えたい「セックスと避妊のこと」。性教育は3歳~10歳が適齢期
てぃ先生
カリスマ保育士てぃ先生
すべての画像を見る(全4枚)

子どもがデジタルに没頭していたら?カリスマ保育士の回答

てぃ先生のSNSには、現役のパパ・ママから悩み相談が多く寄せられています。なかでも最近多い「食事中もいつでも隙あらばスマホでYouTubeを見ている」といったお悩み。そこでデジタルツールとの向き合い方についてうかがいました。

 

●デジタルツールは、むしろ子育てに必須?

まずてぃ先生は、子どもがデジタルツールを見ることのメリット・デメリットを整理してほしいと、話します。

「そもそも、子どもがデジタルツールを見るようになったきっかけを思い出してみてください。親が何かをしたくて一瞬渡してしまったのが始まりで、そこからずるずる習慣化してしまったのではないでしょうか。

平日は仕事の後、急いで保育園にお迎えに駆けつけ、日によっては買い物もして18時や19時に帰宅。そこからは“大変な3時間”。21時や22時頃まで一気呵成に食事、お風呂、寝かしつけまで行う。その間、食事の支度を邪魔されないようにと、タブレットを渡してしまう人も少なくないはず。

タブレットを見る子ども
※写真はイメージです

あるいは、お子さんが感染対策や自宅療養などで家にいるとき。子どもを1人で家に置いておけず自宅で仕事をすることになった親御さんが、仕事に集中するためにやむなくタブレットを渡しているケースもあるでしょう。

結果、親は家事や仕事などに束の間でも集中できるし、子どもも楽しめる。双方ともにメリットがあり、win-winですよね。そう考えれば、罪悪感を持つ必要はないと思います」

むしろ、子どもにスマホを見せまいと、親が自分の時間を犠牲にすることで悪影響が出ることを、てぃ先生は懸念します。

「家事が進まない、一人で何かを楽しめる時間もない。仕事も遅れて肩身が狭い思いや罪悪感を持つ。こうしたストレスは、子育てに直結します。スマホは見せていないけど常に疲れてイライラしている親、スマホを見せることもあるけど、自分自身に余裕が持て、子どもにも優しく接せられる親。どちらが子どもにとっていい親かというと、後者だと思いませんか」

 

●スマホを渡すことで親子コミュニケーションの時間が減る?

子育て
※写真はイメージです

では、スマホを見せることで生まれる罪悪感とは、どう折り合いをつければよいでしょうか。

親がここまで罪悪感をもつのは、自分が子ども時代にスマホを体験してこなかったから。スマホとどう距離を保つのが“正解”か、誰もわからないんです。

でも、考えてみてください。

たとえば紙おむつが登場したときも、『紙おむつなんて』という偏見がありました。それが今では、紙おむつが主流で布おむつの方が少数派。逆転していますよね。しかも、紙おむつが子の成長や発達に有害かというと、全然そんなことなくて、むしろメリットを実感している保護者の方が圧倒的多数なのでないでしょうか。

また、『スマホを渡すことで親子のコミュニケーションが減るのではないか?』という不安についても、そこまで気にする必要はないと思います。スマホがなかった時代だって、忙しい親が仕事の傍らに積極的に子どもとコミュニケーションを取っていたかというと、子どもは別のオモチャなどで黙々と遊んでいただけ。それでも子どもは健全に育ちましたよね」