プライマーをしっかり塗るのが大事
続いてプライマーやシーラーと呼ばれる下地調整材を塗ります。ここが仕上がりのよし悪しを分ける、大事なポイントです。
すべての画像を見る(全18枚)写真は「U-SELECT」の珪藻土専用のプライマー。これを塗ることで、下地に隠れているアクや汚れが表面に上がってくるのをガードできるのです。
こちらは2度塗りが基本。1度目は水で薄めたものを塗り、2度目は原液のままで塗ります。
面倒くさがってこの作業で手を抜いてしまうと、地の奥に隠れていたアクが浮き出てしまいました。どうやら塗り方が甘かったようです。こんな残念な仕上がりにならないように、手を抜かずしっかり塗りましょう。
2度目のプライマーを塗るころには、壁が白っぽくなってきます。ようやく塗装の準備が完了しました。
液だれしにくいのでDIYでも塗装しやすい
いよいよ珪藻土塗料の登場です。ごらんのとおり、液体でありながらもドロリとしていて粘度が高いのが特徴です。バットや容器に移して、ローラーやハケで塗りつけます。
塗ってみて驚くのは、たれたりはねたりすることが少なく塗りやすいこと。
天井のように、液だれがしやすい場所の塗装にも安心です。ふつうのペンキなら頭上から降ってくる塗料と格闘しながらの作業になるところ。でも、珪藻土塗料だと驚くほどラクに作業できます。
こちらは塗装後の床の様子です。茶色のペイント汚れはまばら。ローラーで天井一面を塗装したあととは思えません。体に塗料がかかることも少なく、ストレスなく作業できるのがうれしいです。
ただし、粘性がある分、凹凸のある面に塗料が入っていきづらく、塗り残しが出やすいので注意が必要です。
デコボコしたところには、ハケを使って塗料を押し込んでいくように塗装しなければなりません。これはひと苦労でした。
マットな質感で落ち着いた空間がつくれる
珪藻土ならではのマットな仕上がりも魅力です。左が塗装直後で、右が乾いた後。光沢が消えたのがわかります。落ち着いた空間をつくりたいときにはもってこいの塗料だと思います。個人的におすすめなのが、和室を砂壁や土壁風にするリフォーム。
そのままだと古臭さを感じさせてしまう砂壁も、プライマーを塗れば珪藻土塗料での塗装が可能になります。
右側が砂壁だったところですが、珪藻土塗料のおかげでシックな雰囲気に変身しました。冒頭にも書きましたが、珪藻土塗料は基本的には液状の塗料なので、塗りながら模様をつけることはできません。
表面にテクスチャーがほしい方は、デコボコやツブツブで質感をつける下地塗料などと組み合わせてみる方法も。
写真は「ザラザラベース」という下地塗料を塗った上に珪藻土塗料を塗った例。まっ平な壁に塗装した場合と比較すると、独特の表情が出ました。
こんなふうに工夫次第で可能性も広がります。DIYでも塗りやすく、落ち着いた色合いに仕上がる珪藻土塗料、トライしてみてはいかがでしょうか。