新築でもリノベーションでも、階段は木で造作するケースがほとんど。ドアレールも木製にこだわり、土佐和紙壁紙など自然素材をモダンに取り入れるのが得意という、建築家の向山博さんのお気に入りの建材・設備を聞いてみました。
すべての画像を見る(全7枚)手頃な価格で個性をプラスできるオリジナルの階段
「金属製だとコストが高くなってしまうという理由もありますが、家の中でもボリュームが大きく、使うより見ている時間が長い階段は、いつも造作で丁寧につくります」
写真は比較的コンパクトな新築一戸建て。1階がワンルームのLDKのため、玄関を入ってすぐ室内が丸見えにならないように、また、北側に位置するダイニングに光が届くように階段を設計。
「ローコストなお宅の場合、どうしても既製品が多くなってしまいますが、木製の階段は、そうしたお宅に比較的手頃な価格で個性をプラスできます」
壁をきれいに照らすルーチ・トフ
「わかりやすく言うと、間接照明として埋め込んでもいいし、直づけしてもきれいなライン照明です。いくつかのメーカーから出ていますが、こちらはLuci(ルーチ)という日本のLED照明ブランドの製品です」
写真は、新築一戸建てのダイニングキッチン。リビング、ダイニング、キッチンをつなぐベース照明として設置した事例です。「空間全体というより、壁を照らすというイメージです」。
「点灯していないときもすっきり見えるのがメリット。弊社のオフィスでも同様の製品を使っています」。
フローリングの質感を損なわず、広々!粉河のウッドVレール
過去に向山さんが手がけたほとんどの住宅で採用しているそう。
「フローリングに金属製のレールを埋め込んでしまうと、そこだけ目立ってしまうので。木製レールだと違和感なくなじんで、フローリングの質感を損なわず、広々と感じられます。建具を上つりする方法もありますが、やはり金物が目立ってしまうのが悩みどころ」
素材は積層強化木で、サイズや形状のバリエーションも。「自宅にも採用していて、15年暮らしていますが、耐久性という点でも金属製と比べて遜色がないと感じています」。