いまや私たちの生活にも定着しつつあるSDGsな暮らし。それは家づくりでも例外ではありません。住宅雑誌「住まいの設計」から、SDGsな家づくりのヒントをご紹介します。

新しい家づくりのスタンダード!SDGsな家づくり

住まいの設計表紙

「最近、家づくりでも『SDGs』が意識されるように。環境に優しい家は、家族にも優しく暮らしやすい家。工夫次第でお金をかけなくても、サスティナブルな住まいを手に入れることができます。」と話すのは、住宅専門誌「住まいの設計」の編集長。今回はSDGsな家づくりのヒントを3つのケースで紹介します。
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【case1】エネルギーも、建材も地産地消を目指す家

●地域で育った木で家を建て、井戸水を生活用水に。廃材も薪ストーブで使いきる暮らし

「ものやエネルギーをムダづかいせず、環境負荷を抑えた暮らしを心かけています」と長野県へ移住し、家を建てた本田さん。家は地場産材をムダなく使いきるように設計。断熱性や気密性を高め、熱のロスを抑え、薪ストーブで廃材も使いきります。また水は敷地に掘った井戸水を利用。将来は太陽光発電も導入する予定だとか。エネルギーを抑えながら、持続可能な暮らしを目指しています。

●Point1:県素材をあますところなく使う

県素材をあますところなく使う

県産材をあますところなく使って建てられた家は、1階と2階はひとつながりの大きな空間。個室には仕切りを設けていないのでフレキシブルに使え、薪ストーブの温かさも家じゅうに広がります。

●Point2:水も暖房も自然から与えてもらう

水も暖房も自然から与えてもらう
リビングからつながる大きなデッキテラスは、まさにアウトドアリビング。

大きな屋根に守られながら豊かな自然を感じることができます。

●Point3:風景に溶け込む家の形

風景に溶け込む家の形

田園風景に溶け込むようなナチュラルな家の姿。

間取り図

設計/田邉雄之建築設計事務所

【case2】自然光を上手に利用して、一年じゅう快適な温度で暮らせる家

●周囲を住宅に囲まれた旗竿状敷地でも、明るく、温かく、涼しく暮らせます

旗竿地に建つSさんの家。プライバシーを守りながら、トップライトから取り入れた光と熱を上手にコントロール。夏は涼しく冬は暖かい、一年じゅう快適な住環境を実現しました。「冬は取り入れた熱をダクトで床下に送り室内に放出し、逆に夏はトップライトの開口から熱気を逃がします」とSさん。他にも県産材やペレットストーブを導入し、エネルギー消費の抑制に取り組んでいます。

●Point1:県産材も建材として利用

県産材を使用した家

周囲を住宅に囲まれているため、壁に開口部を設けても眺望は望めず、プライバシーも保てません。そこで常に光を取り込めるトップライトを採用し、明るい室内空間を実現。家の構造材には県産材を使用。

●Point2:トップライトで明るい室内

天井がせり出しています。

トップライトを覆うように天井がせり出していますが、この部分に赤外線などの熱線を吸収する塗料が塗られていて、光から熱を除去してくれるそう。

切妻屋根の トップ

切妻屋根のトップに四角い窓を並べることで、家全体に明るさを届けるための装置に。開閉できる南端の窓が夏の熱気を排出します。

トップライトが照らす室内の様子。
トップライトからの光が家じゅうを明るく照らす。

●Point3:一年じゅう快適に暮らせる仕組み

ダクトの様子。

天井に設けられた銀色のダクトが取り込んだ暖気を床下へ送り、室内に放出する仕組みになっています。

計測器
玄関収納の床下に設置された計測器で温熱環境を測定
家の基礎部分。

家のの基礎部分へ送られた暖気は、床のスリットから各部屋に吹き出す仕組みです。

間取り図

設計/都市建築設計集団/UAPP

【case3】中古住宅のよさを生かしながら現代的にバージョンアップ

●間取りはそのまま。インテリア性を上げ、エコな設備も取り入れてリノベ

東京に暮らす東山さんが選んだのは、築43年の中古住宅を購入し、リノベーションして暮らすことでした。「築年数は経ていたものの、丁寧なつくりの上質な住まいでした」(夫)。状態のいい中古住宅を手に入れられたため、既存のよさを十分に生かしながらリノベ工事は最小限に。また屋根には太陽光発電設備を設置。古いものと新しいものが共存する、サスティナブルな住まいの形です。

●Point1:既存のものを極力生かすリノベ

SDGsな家の室内の様子
既存の間取りや仕上げを生かしたLDK。

柱や梁をそのまま残しながら、床を張り替え、クローズドキッチンをオープンタイプに変更。

●Point2:太陽光発電で電気を自給

太陽光発電の家の外観。

趣のある家の外観。屋根には太陽光発電を載せ、電気を自家発電。

●Point3:内窓を設置して断熱性を高める

北欧風インテリア

既存の窓の内側に木製の内窓を新設したことで、断熱性もアップしたうえ、おしゃれな空間に。北欧風のインテリアにも違和感なくなじみます。

間取り図

設計/こぢこぢ一級建築士事務所

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