2匹のネコとのびのび生活する、ひとり暮らしのマンションリノベーション事例です。47㎡の仕切りのないワンルームの中古マンションを購入し、独立した寝室がある1LDKという間取にしました。家型のキャットスルーが3つあり、ネコも自由に動き回ります。じつは住まい手は、ネコアレルギーという体質。そのため、動線にはちょっとした工夫もしています。

キャットスルー
ドアの横に設けたキャットスルーから、2匹のネコが行ったり来たり
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ネコと人の動線を分けて、お互いが快適に過ごせる空間に

●この家のプロフィール

  • ・Oさんの家 神奈川県

    ・家族構成:本人39歳 ネコ(リリィ・8歳 アッシュ・3歳)

    ・築年数:39年(昭和58年築) 専有面積47.02㎡

    ・物件価格:1750万円(購入時の価格)

    ・工事費:700万円(税・設計料込み)

    ・設計・施工:エム・デザイン

LDK

ネコ好きのOさんが、ペット可の賃貸アパートで2匹のネコを飼い始めたのは8年前。譲渡会に参加してロクとリリィという名のネコを譲り受けました。その後、ロクが亡くなり1匹では寂しいだろうと里親探しサイトで見つけたのが子ネコのアッシュ。

 

キジトラ柄のアッシュ
キジトラ柄のアッシュは、3歳のオス。里親募集サイトで探し、子ネコのときから育てている。名前は、大好きな海外サッカーチームに所属する選手にちなんで。やんちゃで甘えん坊

このやんちゃな男の子との出会いで、Oさんの生活が一変します。アッシュを抱くとなぜか鼻がムズムズ、目がかゆくなり、病院に行くとなんとネコアレルギーと診断されてしまったのです。どうしたらお互い快適に暮らせるか考えたOさんは、家を買うという決断をします。

 

リリィは8歳のメス
顔の模様が八の字に割れた「ハチワレ」ネコのリリィは、8歳のメス。人見知りかつ小心者なので、来客時は大抵どこかに隠れてしまう。高いところと飼い主のひざの上が大好き

「お医者さんから、寝る場所を分けた方がいいと言われたんです。それと、もっと広い部屋で遊ばせてあげたくて」Oさん。ネコとずっと一緒に住める家を探すプロジェクトが始まりました。

最初は漠然と新築マンションを探していましたが、友人の紹介で知り合ったエム・デザインに物件探しから依頼。理由は、同社のインスタを見て衝撃を受けたからだそう。「リノベーションってこんなに自由なんだ!」と。

 

クリーム色の壁

絶対に欲しかったのはキャットウォーク。洗面台の下にネコ用のトイレをつくることもかねてからの憧れでした。寝室はネコが入れないようにする一方、その他の部屋には自分がいないときも自由に行き来できるよう、キャットスルーを各所に設けることにしました。

デザインとインテリアに関しては担当者と相談し、「大人ピンク」をテーマに。オーク無垢材の床に、壁と天井は淡いピンクがかったクリーム色に塗装。テレビボードやソファテーブルもイメージに合わせて造作しました。ネコトイレを設けた洗面室は、スモーキーなピンクをツートーンカラーに塗り分け、黒をアクセントにすることで大人っぽさを演出しています。

「日々、リノベしてよかったと感じながら暮らしています」とOさん。ネコとの動線が分かれたことで毎日快適に過ごせるようになら、ソファでお酒を飲みながらキャットウォークで遊ぶ2匹を見るのがなによりの楽しみだそうです。

 

優しい色合いに包まれたLDKで過ごす、ネコとの至福の時間

キッチンはコンパクトなI型に変更

もともとL字型だったキッチンはコンパクトなI型に変更。背面のカウンターとつり戸棚は造作。冷蔵庫の奥行きに合わせてあるのすっきり。収納力たっぷりで使い勝手もよくなりました。

 

キャットウォーク

南向きのはき出し窓周辺を利用してキャットウォークを設置。ポカポカと日が当たって暖かいので、冬場の窓際はネコたちのお気に入りの場所。ソファテーブルとテレビボードはオリジナルです。

 

キッチンからリビングを見る

リビングで遊ぶネコたちの様子をキッチンからも見ることができます。キッチンの壁に貼った青いタイルは、Oさんがセレクト。

 

LDK

ダイニングとキッチン、リビングがシームレスにつながっています。

 

LDKに隣接する小部屋

LDKに隣接する小部屋はおもにトレーニングルームとして使っていますが、リモートワーク用の書斎、客間など用途は多彩。

 

室内窓つきの壁

クローゼットだったスペースを、室内窓つきの壁を立てて小さな部屋に。梁下に設けた棚はネコ用アイテムの収納場所としても活躍中です。個室にしたくなったらドアをつけられるようにしてあります。

キッチン脇に置いたワインセラーは、お酒好きのOさんがここに越してきてから購入したもの。「ソファに座ってお酒を飲みながら、サッカー観戦をするのが至福の時間です」。