ネコのことも考えつつ、人間も快適な家事ラクの工夫が!
すべての画像を見る(全19枚)妻の希望でキッチンのカウンター上の壁にタイルをあしらい、インテリアのアクセントに。家事動線を考え、窓際につくりつけた背の高い収納には、物干し用のピンチハンガーなどを入れています。
アイランドキッチンとダイニングテーブルを一直線に並べ、配膳や片づけがしやすいDKに。床は、ネコが滑りにくくキズが目立ちにくい、無垢材のフローリングをセレクトしました。
キッチンの一角には、多目的に使えるオープン棚を造作。壁をマグネットボードで仕上げてあるので、写真や買い物のメモなどが貼れて便利です。最下段は棚板1枚分の高さを利用して紋次郎の食事コーナーにしています。「ネコが食事をするとき、少し高さがあるほうが食べやすいので」と夫妻。
夫妻が希望した畳コーナーは、高さ20㎝の小上がりに。間口を広く取ってDKとゆるやかにつなげています。奥に向かって壁を斜めにすることで奥行き感を持たせました。
キッチンの壁面収納は、食料品などをしまうほか、食器棚やゴミ箱が置けるスペースも確保。扉つきなので紋次郎のいたずら防止にも役立っています。
キッチンはふたりで立っても余裕の広さ。水や油がはねても掃除しやすいよう、床にはタイルを採用しました。
「ネコ棚」の一角にシンプルなカウンターデスクを設置して、テレワークなどに活用。その上に室内窓を取りつけたことで、個室の窓からの光が届き、お互いの気配も感じられます。
個室からも書斎からもアクセスできるウォークインクローゼットは、以前はキッチンがあったスペース。収納アイテムを活用して、コンパクトなスペースをフル活用。おもに夫の衣類を収納しています。
天井や壁を白で統一した寝室。やわらかな足触りのコルクタイルを床に取り入れて快適に。夜は紋次郎もベッドで眠るそう。寝室の奥には妻のウォークインクローゼットがあります。入り口のドアは引き戸に変更。
夫の書斎兼趣味室。床に遮音マットを入れ、壁と天井には吸音材を入れ、しっかりと防音対策を。斜めの壁を生かして窓際に小さなデスクも造作しました。コンパクトながら趣味を存分に楽しめる機能的なスペースに。
壁面収納があり、使い勝手よくつくられていた洗面室。洗面化粧台は既存を利用し、内装を一新。収納扉の面材も白に変更して明るい印象に。ユニットバスも既存を利用しています。
トイレは新品に交換。ただし手洗い器やアクセサリーは既存を利用しています。壁と天井のクロスや、収納扉の面材を白い素材に貼り替えるだけの最小限の変更に。棚は小物を並べてディスプレイコーナーに活用しています。
玄関ホールは、たたきをレンガ調タイルに貼り替えておしゃれに。既存のゲタ箱を撤去し、「ネコ棚」と同じラワン合板で玄関収納を造作。連続性を持たせるために、オープン棚でつなげています。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
廊下の幅を広げて、妻のワークスペースやネコ棚などの機能を持たせたフリー空
間とすることで、スペースをムダなく活用しています。小上がりと書斎兼趣味室は、
壁を斜めに配して空間に広がりを持たせました。
DATA
建物規模:地上19階建ての4階
専有面積:75.28㎡
素材
玄関
床:レンガタイル 壁、天井:ビニールクロス
ホール、DK
床:オーク無垢フローリング、一部タイル 壁、天井:ビニールクロス
寝室、個室
床:コルクタイル 壁、天井:ビニールクロス
スタディルーム(書斎兼趣味室)
床:コルクタイル+遮音マット 壁:布クロス+吸音材、木パネル+吸音材
天井:有孔ボード+ガラスクロス+吸音材
設備
キッチン
パナソニック
レンジフード:toolbox
サニタリー
トイレ:LIXIL
ユニットバス、洗面化粧台:既存
設計:小野裕美(ono design studio)+中村広毅(HITSUJI ARCHITECTS)
(小野)設計事務所勤務を経て2015年に独立。新築一戸建て、店舗、オフィスからマンションのリノベーションまで、住まいの設計を得意とする。築53年のマンションをリノベーションして自宅兼事務所として使用している
(中村)ドイツ・ベルリンの設計事務所を経て、2015年に独立。海外での経験を生かした設計業務から環境関連のリサーチまで幅広く活動中