ネコを飼うことを前提に、築浅のマンションを購入しリノベーションした、夫婦ふたりで暮らすお宅の事例です。リノベのポイントは、玄関とDKの間にあった廊下の幅を広げて、妻のワークスペースとネコが遊べる収納棚を設置したこと。畳の小上がりと書斎兼趣味室もあります。廊下をなくして、スペースをムダなく活用した、人もネコも大満足の住まいとなりました。
すべての画像を見る(全19枚)つかず離れず。人とネコのほどよい距離感が心地よい住まい
●この家のプロフィール
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・Aさんの家 埼玉県
・家族構成:夫36歳 妻34歳 ネコ:紋次郎1歳半
・専有面積:75.28㎡ 築年数:4年(2018年築)
・工事費:約1000万円(税込み・設計料別)
・設計:onodesignstudio+HITSUJIARCHITECTS
「自分たちの家ができたらネコを飼いたい」と話していたAさん夫妻は、リノベーション前提で築浅のマンションを購入。まだ見ぬネコとの出会いを楽しみにしつつ、ネコのための空間や自分たちの要望をかなえた間取りにリノベーションしました。
完成したのは、廊下などのムダなスペースがなく、玄関から家の奥まで見渡せる住まい。玄関とDKの間をつなぐように配されたフリースペースには、多目的に使える「ネコ棚」を設置。どこからでも上り下りでき、棚板の通リ穴を使ってキャットタワーとして遊べるだけでなく、キャットウォークとしても使えます。
「最上段はネコ棚の端から端まで通れるように、側板に穴をあけてもらいました」(夫)
当初は、ベッドなどはネコの行動に合わせて置き、トイレはネコが使いやすく夫妻が掃除しやすいように、洗面室に近い場所にと決めていました。しかし「ネコ棚」ができたことで、トイレもここに。
打ち合わせを進める過程で、「せっかくネコ棚をつくっても、ネコがあまり使ってくれないかも」という不安もあったそう。そこで妻のワークスペースコーナーや穴をあけない収納棚も取り入れて、人間も多目的に使えるようにしています。
実際に暮らし始めると、紋次郎はすぐに「ネコ棚」の楽しさを知り、遊んだり寝たりと気ままに過ごすように。当初は、寝室や夫の書斎兼趣味室には入れないつもりでしたが、いつの間にか家じゅうが紋次郎の居場所に。
「ワークスペースコーナーで仕事をしていると、真上の棚からジッと私を見ていることもあるんです」(妻)
いちばんのお気に入りはやはり「ネコ棚」で、ここで過ごす時間が長いそう。でも、キッチンから料理のにおいがしたり、小上がりから夫妻の笑い声が聞こえたりすると、すぐに近づいて甘えてくるとか。
「このつかず離れずの距離感が、紋次郎にとってちょうどいいみたいです」(夫妻)
「ネコ棚」は、棚や通り抜け用の穴を不規則に設け、キャットタワーとして遊ぶほか、ネコ用のベッドやトイレ、爪とぎなどのアイテム置き場に活用しています。