子どもにとって、500円は大金。初めて自由に使えるおこづかいなら、なおさらです。

ここではESSE読者と4歳の息子が体験した、「初めての500円のお買い物」にまつわるエピソードをお届けします。

一日じゅう探し回って決めた、4歳の息子の「初めてのお買い物」

(神奈川県・37歳)

500円の幸せ
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夏休みに入る少し前、義母が息子にくれた、500円のおこづかい。その五百円玉は、小さな和紙でできたポチ袋に入れられており、彼女のセンスのよさにあらためて感銘を受けた。

おこづかいで私は、4歳になった息子に「初めてのお買い物」をさせてみることにした。

4歳にもなると、お金を払ってものを買うというルールもわかってきている。自分のお金で買い物をするのはよい経験になると思ったのだ。

「夏休みになったら、ばぁばからもらった500円で、お買い物にいこうか」「わーい!どのオモチャにしようかな!」と息子は大喜び。

●これだ!というミニカーを探して、あきらめない息子

そしていよいよ夏休み。クルマが大好きな息子は、とあるお店のミニカーのコーナーに一目散に走って行った。でも、欲しいミニカーは500円以上のものばかり。
「これがいい!」「これはおこづかいでは買えないなぁ」「じゃあこれ!」「これも500円を超えちゃう」「じゃあこれ!」「ああこれは買えるね。じゃあこれにする?決めたらもうほかのオモチャには変えられないよ?」「うーん…」

ずっとこんな調子。私が今日はやめて別の日にしようかと言っても、息子は「今日がいい、今日じゃなきゃイヤだ」と、あきらめなかった。

100円ショップやスーパーを4軒回り、ようやく買いたいものを見つけた息子。選んだのはひもを引っぱると、勢いよく飛ぶオモチャの飛行機。
自分でレジまで持っていき、財布から五百円玉1枚を取り出して払っている姿に、大きくなったなぁと私は感無量だった。

●レジの方も優しく見守ってくれた

その飛行機は、五百円玉で支払うと、何枚かのおつりが返ってくる。一枚だけならしっかり握れていたが、息子の小さな手では、おつりを全部受け取りきれず、財布にしまう前に床に落としてしまった。
どうしようとあわてる息子を、レジの方は優しく見守ってくれていた。

大喜びの息子と家に帰り、時計を見ると、もう夜の7時過ぎ。一日じゅう探し回り、どっと疲れたが、義母からの500円で、忘れられない夏休みの思い出ができた。