4月以降に予測される食材の値上げに、不安になっている人も多いのでは? 過去に、ESSEonlineで好評だった「食費節約」記事をまとめました。ぜひ参考にして、値上げにそなえましょう!
食費が高い人がスーパーでやりがちな4つの失敗
食費の上限を決めているはずなのに予算オーバー…という経験はだれしもあるはず。なぜお金を使いすぎたり、ムダなものを買ってしまうのか? その理由は行動経済学という学問で説明ができます!
●あるある【慣性の法則】/安価なPB商品よりもよく知ったメーカー品を選ぶ
すべての画像を見る(全16枚)妥協したくない人はそれでもOK。節約したいなら冒険することも大切
力学の理論同様に、人も、同じものを買い続ける傾向に。慣れた習慣を続けたいという心の動きは身の安全を図る「セルフディフェンスメカニズム」に基づくもの。節約したいなら安価な商品を買ってみて。「問題がない」とわかれば、新たな習慣として定着するはず。
●あるある【ヒューリスティック】/見きり品はおトクに感じて手に取りがち
生鮮品の最大の価値は鮮度! 思い込みでだまされないように注意
見きり品を見て「間違いなく安い=おトク」と感じるのは、物事の細部を見ず、ざっくりと直感で捉える“ヒューリスティック”という心の働きによるものです。早とちりによる思い違いとなることもあるので、本当に必要か、よく考えてみて。
●あるある【ポイント効果】/ポイントアップやクーポンのあるお店に行きたくなる
隣の店は10円安いかもしれない。視野を広げ、考える力が節約に
ポイントにおトク感を感じるのは当たり前の心の働き。でも、ある商品を100円で売って1%のポイントをつける店と、ポイントなしで90円の店とがあったらおトクなのは断然後者。視野を広くもちましょう。
●あるある【フレーミング効果】/レジ横のお菓子をつい手に取ってしまう
本当に必要? 陳列の“罠”にはまっているかも
同じお菓子でも陳列されている場所が違うと、私たちの認知は変化。レジ横に並べられたお菓子は「おすすめ品だ!」と瞬時に思い込んで買ってしまいがち。でもこれは思い込み(フレーミング)を突く販売方法と心得て。
さらに値段が高い=よいものと思い込み、同じような商品でも価格の高い方を選んでしまうというのも、この心の働きによるものです。閉店セール中の宝石店が、間違えて宝石の値段を1ケタ高く表示した結果、想定外に売れ行きが伸びた…なんてケースも。
◆失敗をしないためにはこちらをチェック!
簡単なのに効果バッチリ!「あと1万円」食費を減らす
「食費は大幅カットではなく、『あと1万円』なら、ちょっとの工夫で実現できます」と話すのは、マネーコンサルタントの市居愛さん。見直しポイントを伝授してくれました。
●支出の現状を洗い出して家計の予算を見直す
コロナ禍でパート先がなくなり、現在は専業主婦というNさん(東京都・42歳)は、夫と2人暮らし。8万円の収入減に加えて、夫は週3日のリモートワークで食費はアップ。食費を節約したいけど、家計簿をつけたことがなくて予算の立て方がわからない…と話します。
「まずは1か月の収入と支出を把握しましょう。あとは『どうなりたいか』という理想のもと、予算を立てていきます」
●妻のこづかいを設け、嗜好品はこづかいから買う
見直しは、減らしたいところから予算を取り分けるのがコツ。「こづかい予算をとることが希望だったら、先に食費からその分を取り分けておきましょう」
現状の1万円減を目指して食費は6万円に。浮いた分がこづかいです。
<Nさんの家計と見直しポイント>
給与 340,000円
住居費 100,000円
食費 70,000円→60,000円に!
外食費 10,000円
その他出費 20,000円
こづかい(夫) 60,000円
こづかい(妻) 0円→10,000円に!
貯蓄 80,000円
・住居費などの固定費や家族のこづかいは手をつけない
・貯蓄は今の状態をキープ
食費は今より1万円カットして、その分を妻のこづかいに回します。お茶や嗜好品が好きで、これまで予算の上限なしに買っていたのを、こづかい内でやりくりするようにします。
●財布の中で食費とこづかいを入れる場所を分ける
予算を管理するためにいくつもの財布を使いこなす人もいますが、やりくりが苦手な人にとっては、1つで管理する方が断然わかりやすいです。同じ財布の中で予算を分けましょう。
札入れの仕切りでこづかい1万円と食費6万円を分ける
・食費6万円
・こづかい1万円
財布の中で食費とこづかいを入れる場所を分けて、2つの予算を簡単に管理。「小銭までは細かく管理せず、財布の中で紙幣の残り具合を見ながらやりくりする、ざっくり管理がおすすめ」
◆もっと詳しい内容はこちら
食費節約は冷蔵庫から!在庫管理がカギ
「冷蔵庫の在庫がわかっていれば、スーパーで買い物をしながら家にあるものを使って献立を考えられるので、余計なものを買わずにすみます」と話すのは、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さん。
「ただし、やりすぎは健康に響くので要注意。食費は家計費の13~15%程度が適正なので、収まっていない人は見直しましょう」
また、節約アドバイザー・和田由貴さんは「そもそも在庫がわからなくなるのは買いすぎが原因」と断言。
「入っているものが多すぎるからわからなくなるんです。献立を決めてから食材を買うのではなく、今ある在庫を消費する献立を先に考えて。使いかけの野菜はトレーにまとめて目につく所に置くなど、収納にも工夫を」
実際に、年100万円を貯めている読者の、1週間の冷蔵庫の使い方を見てみましょう。
●冷蔵庫内の“見える化”で食費ダウンに成功!
以前は、外食費込みで食費が月7万円もかかっていたゆきこさん。冷蔵庫は常にパンパンでどこになにが入っているか不明でした。
「そこでちょこちょこ買い物に行くのをやめ、週1まとめ買いにシフト。冷蔵庫の中を整理して庫内全体をパッと見で把握できるようにしたら、食材をムダなく使いきれるようになりました」
在庫を使いきってから買い物に行くスタイルで、ステイホームで食費が増えても、5人家族で1か月4万円台前半に抑えています。
<ゆきこさん(32歳)のプロフィール>
夫(32歳)、長女(5歳)、長男(3歳)、二男(7か月)の5人家族。現在、育休中で10月に仕事復帰予定。育休に入って収入が減ったにもかかわらず、昨年は年収の39%を貯蓄。
年間貯蓄 220万円
貯金 12万円
食費 4万3千円
◆ゆきこさんの1週間の冷蔵庫サイクルはこちら!