キッチンやダイニングの掃除から、浴室やクローゼットのカビ予防、水気を嫌う家電の掃除まで。家じゅうの掃除に幅広く使えるのが「アルコールスプレー」。
その手軽さから、家事のプロたちにも愛用者が増えつつあります。

「除菌ができるうえ、揮発性が高く、使ってしばらくしたら成分は飛ぶので、子どもやペットがいる家庭でも安心して使えます」と話すのはナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさん。
その効果から、家庭で簡単に手づくりできる方法まで、くわしく教えてもらいました。

アルコールスプレー
手軽に使えるから掃除が苦手な人にもぴったり!
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一度使ったら手放せない!アルコールスプレー1本で家じゅうスッキリ

「とくに、雑菌やカビの繁殖を抑えたい冷蔵庫や浴室の除菌にも大活躍。皮脂汚れもよく落とすので、裸足で歩いたあとの、床のベタつき落としに使ってもさっぱりします」

揮発性があるから、あとに残らず、二度ぶきは不要。1本あれば家じゅうで大活躍する万能洗剤は、使ってみない手はありません。
掃除が苦手な人にもおすすめです。

●消毒用エタノールを35%に薄めて簡単に手づくり

アルコールスプレー

最近では、市販のものも多くありますが、本橋さんのおすすめは、使いやすい濃度に薄めた手づくりのアルコールスプレー。手軽なうえ、コスパがよいのもメリットです。

市販の「消毒用エタノール」は、アルコール濃度が80%前後。

「除菌、消毒作用は高いのですが、このまま使うと溶解作用が強すぎて家具のニスがはがれたり、プラスチック製品が溶けることがあるので、日常の掃除用には向きません。これを、35%程度に水で薄めて使えば、ある程度の除菌効果があって汚れもよく落ち、作用も穏やか。家じゅうの掃除に安心して使えるアルコールスプレーになります」

●【アルコールスプレーのつくり方】

1:計量カップに水を入れ、アルコールを加える
エタノールを計量カップに

ガラスの計量カップに水110mlを入れ、消毒用エタノール90mlを加える。先に消毒用エタノールを入れるとカップが傷むことがあるので、必ず水を先に入れること。

エタノール

消毒用エタノールに「IP」とあるものは、添加物が含まれているため酒税がかからず割安。効果は変わらないので、掃除用におすすめ。

2:耐アルコールのスプレーボトルに入れる
軽量カップ スプレーボトル

アルコール耐性のあるスプレーボトルに1を注ぐ。アルコールNGのボトルがあるので、入れる前に商品の注意書きを必ず確認しましょう。

作業するときは換気をよくし、気をつけておこなってください。

●アルコールスプレーを手づくりするとメリットもたくさん!

・安くできて、たっぷり家じゅうの掃除に使える
・除菌作用があるアルコールは、水で薄めても腐らないので、ボトルに入れたまま1か月程度使える
・アルコールは溶解作用があるため、アロマオイルを混ぜることができる。消臭や虫よけ効果のあるハッカやティーツリーは相性バッチリ!

アロマオイルをエタノールに

アロマオイルを混ぜるときは、消毒用エタノール500mlのボトルにアロマオイル20滴を入れ、フタをしてよく振ります。あとは上記と同様に水で薄めればOKです。

●ミニスプレーボトルに入れて持ち歩いても便利

ミニスプレーボトルとポーチ

手づくりのアルコールスプレーを、香水用アトマイザーに入れて持ち歩いているという本橋さん。

「出先で手を洗えないときなど、ちょっとした汚れ落としに便利です」

アトマイザーはアルコール耐性のあるものを使ってください。

アルコールスプレーにまつわる気になる疑問をすっきり解決!

●Q:消毒用エタノールと無水エタノールの違いは?

A:含有するエタノールの濃度が異なります

水分を含まず、アルコール成分がほぼ100%なのが「無水エタノール」。アルコール成分が80%前後なのが「消毒用エタノール」。どちらも水で薄めて掃除に使えますが、消毒用エタノールの方が安価なうえ、手に入りやすいのでおすすめです。

●Q:どこの除菌・掃除に使える?

A:布製や合皮の家具など家じゅうの除菌・掃除に使えます!

カーペット、布製や合皮のクッションやソファ、枕やベッドマット、クルマのシート、サンダルやスリッパ、ゲタ箱などの除菌・掃除に使えます。まず目立たない場所で試してからお使いください。
革のソファやニスで塗装した家具には使えないのでご注意ください。

●Q:まな板や包丁などの除菌に使ってもいい?

A:食品や食品に直接触れるものには、専用のものを

手づくりアルコールスプレーに使う消毒用エタノールは、食品ではないため、直接食品に触れるものや、食品の除菌には向きません。
まな板や包丁などの除菌には、キッチン用アルコールスプレーなど、専用の市販品を使いましょう。

●Q:焼酎で代用するのはダメ?

A:アルコール以外の成分が残ってしまう可能性も

アルコール濃度35%のものなら、ある程度の除菌効果は期待できます。でも、掃除に使うと、アルコール以外の糖分などが残ってしまい、変色などの原因になることも。保存ビンやお弁当箱の消毒など、口に入れるものの除菌には向いています。

●アルコールスプレーを使用するときの注意点

・引火性があるので、火のそばに近づけない
・手荒れしやすい人は手袋をする。かゆみなどアレルギー症状が現れた場合は、直ちに使用を中止し、医師に相談する
・ニスで塗装した家具やワックスがけした床に使うと、ニスが溶けてしまうことがあるので、目立たないところで試してから使う
・揮発性が高いので、換気をする
・調理器具や食器の除菌に使用する場合は、食品にも使えるアルコールスプレーを使用する