壁にフックをつけたいけど、下地が石こうボードだからネジが効かない。そんな悩みを解消してくれる商品があります。石こうボードのほか、古い木造住宅にありがちな砂壁などのもろい下地にも、ネジをしっかり効かせることができるのが「どこでも下地スピードミニ10」。実際に石こうボードにフックを設置してみた様子をレポートします。

脱衣所の壁に設置されたフック
玄関や脱衣所などに、フックがあると便利
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壁に下地がなければネジは効かない

筆者の自宅は、自身が大家として管理するマンションの一室にあります。築50年超えの築古マンションですが、5年ほど前のリフォームで造作した壁には、石こうボードが使用されています。脱衣所の壁もそのひとつ。

石こうボードにネジでなにかを留めようとしても、しっかり固定できませんが、ボードの下に木の柱が入っているところだけはネジを効かせることができます。

壁下地のイメージ

筆者宅の場合、縦に柱が入っているところが一か所しかなく、この位置にしか設置できません。できれば隣にもうひとつくらいフックを設置したいと思っていました。

 

下地センサーの使用風景

ちなみに、壁のどこに下地があるかを探すには下地センサーを使うと便利です。ボタンを押しながら壁を滑らせると、光と音で木の下地がある箇所を知らせてくれます。

写真のものは比較的安価なタイプで2000円弱で購入したもの。DIY用途ならば十分だと思います。

 

「どこでも下地スピードミニ10」の仕組み

下地がない石こうボードの壁に、ネジを効かせる方法はないものか。リサーチして見つけたアイテムがこちら。

どこでも下地スピードミニ10

「どこでも下地スピードミニ10」(高島)という商品です。ちょっとレトロなパッケージには「石膏ボードにネジが効く」という心強いキャッチコピーが。

 

図で見るスピードミニ10の仕組み

仕組みとしては、ボードに穴をあけてスポンジを押し込み、そこに接着剤のような液体を注入して硬化させて、強固な下地をつくるのだそうです。専用のスポンジとスポイトも付属しているので、特別な工具などは必要ありません。ただ、施工の手順はそこそこ複雑なので丁寧に作業することをすすめます。

 

まずはキリとドライバーで壁に穴をあける

では、実際に作業していきましょう。

フックの設置位置に印をつける

フックを設置したい場所を決め、マスキングテープで養生し、ネジ穴の中心に印をつけます。

 

キリで下穴をあける

キリなどで下穴をあけます。石こうボードの厚さは、だいたい1㎝前後なので、ほどなく壁を突き抜け、内部が空洞になっているのが感触でわかるはずです。

「スピードミニ10」を使用するには8~10㎜ほどの穴をあけねばなりませんから、太めのドライバーなどでぐりぐりと穴を広げてあげましょう。

 

穴に押し込んだスポンジにスポイトで液を注入する

穴があいたら「スピードミニ10」の付属品を使って作業します。

爪楊枝でスポンジを穴に押し込む

付属のスポンジ1枚を水に浸してぎゅっと絞り、穴の中に押し込みます。指ではなかなかうまく入らないので、爪楊枝を使って押し込んでいきます。1㎝ほどスポンジが出ている状態まで押し込めばOK。

 

スポイトで液を穴の奥に注入

付属のスポイトで液を吸い上げ、穴の奥から手前に向かって少しずつ注入していきます。ここがもっとも大事な作業。数回に分けてときどき角度も変えつつ、スポンジのすみずみに液が染みわたるようにするのがコツです。

 

スポンジの外周に液を注入

爪楊枝でスポンジをおさえて隙間をつくり、スポンジの外周にも注入します。説明書によると液が多すぎても問題はないそう。液だれしない程度に、しっかりと浸透させてあげます。2つ目の穴にも同じように作業したら、ひとまずお休み。スポンジがしっかり固まるまで待ちます。