家族がいちばん長い時間を過ごすLDKに、暮らしの機能を集約させた、都市型の3階建注文住宅事例です。家族全員の日常の衣服をのみ込む壁収納、洗濯もできる洗面所も併設し、着替え、手洗い、洗面、そして洗濯までが、LDKにいるだけで完結します。この家に暮らす、まだ幼い姉妹の子育て真っ最中のSさんを訪ねました。
すべての画像を見る(全27枚)家事動線もサポートしてくれる万能なリビング大収納
Sさんの家 大阪府 家族構成 夫/43歳 妻36歳 長女6歳 次女2歳
設計/井戸健治建築研究所
Sさんの家のこだわりPOINT
- ・ 着替え、手洗い、洗面。全部LDKで完結
- ・ 効率的な家事動線
- ・ 開口部が北側でも明るいLDK
- ・ 北側にある集合住宅からプライバシーを確保
「着替えも洗面も全部LDKで完結して、収納の扉を閉じればきれいに暮らせる。とても合理的」。そう笑うのは、このお宅に住むSさん夫妻。妻の実家を建て替えた3階建てに、夫婦とまだ幼い2人の娘が暮らしています。
「実家は階ごとにスペースが分かれていて、今の私たちには不便に感じていました。そこで、家族がいちばん長い時間を過ごすリビングに、生活の機能を集約しようと考えました」(妻)
Sさん一家の暮らしはとてもシンプル。起床すると3階の寝室から2階のLDKに下り、そこで「洗面〜着替え〜食事〜出勤・外出」という毎日のルーティンが展開します。帰宅時も、「手洗い〜着替え〜食事〜団らん」まで、すべて2階のLDKでことたります。
「キッチンの横に洗濯機があり、洗面ボウルはつけ置き洗いもできる大きさと深さのものにこだわりました。洗面の頭上の物干しポールで洗濯物をハンガーにかけて、キッチン裏のテラスに干します。乾いた衣類を東側の衣類収納にしまえば、家事同線もここで完結します」(妻)
隣家が迫っているため、道路に接する北側からしか採光が望めない環境のSさんの家。建て替え前は、道路を隔てた真っ正面に建つ集合住宅からの視線が気になりましたが、2階テラスの道路側に白い目隠しパネルが施されている新居ではプライバシーも問題なし。
「反射する光で室内は明るいし、カーテンを引く必要もありません」(Sさん)
キッチンの横にはPCデスク兼家事コーナー。小学1年生の長女の勉強机として活用されています。「私はキッチンにいることが多いので、目の届くところで勉強してくれるからお互いに安心です」(妻)
クローゼットも洗面も扉を閉じればスッキリとした印象に。クローゼットの上の窓は、建築基準法の規制をクリアするための排煙用の窓。ちなみにトイレだけは1階に下りなければいけません。
「LDKの横にトイレがあると来客が使いにくいし、音やにおいの問題もあるので、これでよかったと思います」(妻)