京都の風致地区に建つ、大きな土間空間のある家。こちらの3階にあるのは、三方に視界が開けたキッチンです。窓の外を眺めながら料理していると、まるで空に浮かんでいるかのような気分に。料理も食事もたっぷり楽しみたい。そんな住まい手の願いを実現した、戸建て事例を紹介します。

景色を眺めながら調理ができるキッチン
景色を眺めながら調理ができるキッチン
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完全オリジナルキッチンは、レイアウトも使い方も自由自在

キッチンから景色を眺める

Jさんの家 京都府 家族構成/本人31歳
設計/ALTS DESIGN OFFICE(アルツデザインオフィス)

Jさんの家のこだわりポイント

  • 1. 1階から3階までつながる空間
    2. 使い方は自由自在の、広い土間
    3. 三方向に視界が開ける、浮かぶようなキッチン&ダイニング
    4. 室内なのに外を感じさせるバスルーム

「ここから見える景色がとてもすてきなんです。毎日この景色を眺められるので、キッチンが3階で本当によかった」

そう語る、Jさんのお宅のLDKは、比叡山系が望める絶好のロケーション。夏になれば、花火大会を見る特等席になります。

 

キッチンからリビングダイニングを見る

ほぼ毎日がリモートワークというJさんにとって、食事をつくる時間、食べる時間をいかに心地よく過ごすかは、なにより大切なことでした。

この家の3階はLDKという間取り。北側にはキッチン、南側にはゆったりとしたダイニングテーブルを配置し、大きな窓が双方に設けられています。

オリジナルのキッチンは、L字型にテーブルを組み合わせたもの。「使い勝手のよさを考えながら、私にピッタリの形を建築家の水本純央さんに設計してもらいました」。

通常のL字型キッチンはくぼみ部分に作業スペースを設けますが、ここでは作業スペースは外側に。くぼみ部分には背の高いカウンターテーブルが組み込まれ、上から見ると正方形になっているのです。

「自分の好みのものを自由にレイアウトしています。必要なものは手の届きやすい場所あるので、調理中の動きもスムーズでラク」。

調理器具はハンギングしたり窓下のカウンターに置かれたり。まるで見せる収納のお手本のようなレイアウト。美しくて使いやすいキッチンです。

 

食事はキッチンカウンターで

「食事はカウンターでササッとすますこともありますが、ゆっくりしたいときはダイニングテーブルで、景色を楽しみながらのんびりと食事をしていますね」とJさん。

「敷地が狭いこともあって、水本さんには極力仕切りのない大きな空間をお願いしました」

1階はダイナミックな吹き抜けのある土間空間と洗面浴室、大容量のウォークインクローゼット。2階は寝室とトイレのみという潔さ。その空間の中にはさまざまな居場所が設けられ、Jさんはその日の気分や時間によって、家じゅうを移動しながら暮らしているそう。

街並みになじむ落ち着いた住宅の中に、3階展望キッチンを持つこんなにも自由で大胆な空間が広がっていたのです。

【動画】J邸の様子はこちら