年齢とともに変化する、自分にとって本当に必要なもの。でも、それを見極めるのが難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。そこで、小さな家への住み替えを機にものを減らしたら、今の自分にフィットするものが明確になったという料理研究家の藤野嘉子さん(64歳)に、お話を伺いました。

食器を持つ女性
リバウンドしたら都度見直しながら、コンパクトな暮らしを満喫中の藤野さん
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じっくり選んだら、暮らしをうるおすものだけ残った

150平米から65平米の家へ住み替えるにあたり、たくさんのものを手放した藤野さん。不慣れで手放しすぎましたが、自分にとって本当に必要なものを知るいい機会となったそう。

「買うからには長く大事に使いたいので、これまでのような衝動買いは慎み、じっくり考えて選ぶように。すると、今の自分の暮らしを豊かにしてくれるものだけに囲まれるようになりました」

ここでは、藤野さんが大事にしている、もの選びの基準について教えてもらいました。

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60代からのコンパクトな暮らし。ものを減らすことで心も身軽に

●使うときに疲れない「軽いもの」を

ほうき
出しっぱなしでもかわいいほうきを愛用

できるだけラクで疲れないものがいいので、大きいものや重いものより、小さいもの、軽いものを選択。「これは前の家から持ってきたほうき。軽くてサッと取り出せるので、狭い部分は掃除機よりもほうきのほうが便利です。それに、孫が遊びに来ると、ほうきでお掃除してくれるので助かります」

●買いものでつくり手を応援

箸
青竹細工作家・桐山浩実さんの箸「口当たりがよくて大好きです」

応援したいと思うものや、共感できる作り手の製品を選ぶことが増えてきたそう。愛用している箸は、青竹細工作家の桐山浩実さんに特別につくっていただいたもの。「ちゃんとしたものを丁寧につくる方だと感じたので、買いものを通して応援しています」

●用途にとらわれず自由に使う

大小入れ子式のかごビク
かごビクは大小の入れ子式。「小さいかごにお菓子を入れています」

お気に入りのものは用途を固定せず、その都度自由に役割を与えて活用しています。「お菓子を入れているのは、お父さんが鮎釣りに使っていたかごビク。見た目が好きなので、リビングの目立つ場所に置いています」