冷蔵庫の中は、ものの回転率が高いところです。
「家族全員の体をつくる大事な食材を入れている冷蔵庫は、単にものを出し入れするだけでなく、きちんと管理が必要な場所なんです」と語るのは、整理収納アドバイザーの大木聖美さん。
取り出しやすく、中身に入れたものを忘れない冷蔵庫収納7つのルール
あけたときにすっきり見えた方が気持ちのいいものですが、それよりも「なにが入っているかわかりやすく、取り出しやすいことを優先するべき」と言います。
使い勝手に焦点を当て、わかりやすくて取り出しやすい冷蔵庫収納をつくる7つのルールについて、大木さんに語っていただきました。
●1:取り出しやすい棚2段分を"ゴールデンゾーン”に設定
冷蔵庫の大きさは各家庭でさまざまですが、使っていると取り出しやすい棚というのがわかるかと思います。
目線よりやや下の位置あたりが、見やすく手を伸ばしやすい位置。そんな棚2段分をゴールデンゾーンに設定しましょう!
すぐ食べるもの、常備しているもの、毎朝食べるものをここに収納。ゴールデンゾーンに置くものかどうか判断して収納していくだけで、自然と食材の分別ができ、取り出しやすい収納につながります。
●2:ドアの開く側に、よく使うものを置く
冷蔵庫のドアをあけたとき、ドアが開いた側(ドアポケットがない側)の棚によく使うものを収納しましょう。
写真でいうと、左側が取り出しやすい位置になります。
ドアを目一杯開かなくても取り出すことができるので、必要以上に冷気を逃すことなく、サッと取り出すことができます。同じ棚に入れたものでも、さらに使用頻度によって使い分ける感覚です。
●3:すぐ食べてほしいものだけはボックスにまとめる
開封済みのものや残りもの、賞味期限の短いものなどは、散らばっていると忘れられてしまいがち。
家族に対し「とにかくまずはここから見て!」というボックスを1つつくっておけば、うっかり食べ忘れる事態を防げます。
トレーでもよいのですが、高さのあるボックスの方が、より多くの食材をストックすることができます。ボックスを使うと冷気がたまりますが、その分外気にも触れにくいため、温度変化はあまり気になりません。
中身が見える透明か半透明のものがおすすめ。さらに持ち手つきのボックスなら持ち運びも簡単!
このボックスごと調理台に運び、メニューを決めれば、食品ロスが減るはずです。
●4:常備している食材は見渡しやすいトレーを使うと取り出しやすい
必ず常備している食材は、ひとまとめにしておきましょう。まとめる際はトレーを使ってみて。中身がよく見えるし、ダイレクトに取り出すことが可能。奥の方に入れた食材を取り出すのもラクラクです。
●5:ペットボトルや倒れやすい食材には、可動できるブックエンドが活躍
置き場所に困るペットボトル。ドアポケットに入ればいいのですが、ドアポケットがいっぱいで棚に入れたい場合は、ゴロゴロと転がってきて収納が大変です。かといってボックスを用意して入れ込むのは、余計な空間を使ってしまってもったいない。
そんなときはブックエンド! シンプルなL字型のブックエンドなら、転がりやすいペットボトルもしっかり支えてくれます。積み重ねても大丈夫。L字の向きによって支える本数を変えることができます。
また、位置を動かすことで本数の変化にも対応可能。ほかにも倒れやすいレトルト食品や、麺類の袋などを立てて収納する際にも使えます。
●6:立てて収納したいチューブ類は隠すより見せる
ドアポケットは冷気が逃げやすく、棚と比べて温度が若干高め。そのため生鮮食品などは避け、気温の差にさほど影響を受けない飲み物や調味料類を入れておくのに適しています。
チューブ類もここに入れている方が多いですよね。立てて入れれば最後までスッキリ使えるし、省スペースですみます。容器に入れてひとまとめにしておけば、迷子にもならず使いやすい。容器は透明な方が入っているものがわかりやすく、ストレスも少なくなります。
見えることで、どのようなチューブの種類があるか、消費期限はいつなのか、しっかりと把握することができますよ。
●7:保存容器も見やすいものをチョイス
つくりおきやちょっとした食べ残しをしまっておく保存容器も、透明のものがいいです。パッと見て中身がわかるので、食べ残す心配がありません。家族にわかりやすいのもうれしいポイント。
ガラス製ならにおい移りがなく、手入れが簡単! 電子レンジでの使用が可能で、そのまま食卓にも出せるものだと、さらにラクです。
毎日使う冷蔵庫は、取り出しやすさと見つけやすさが大事! ボックスなどで仕きりすぎると管理が大変になり、その結果食品ロスへと繋がってしまうので注意が必要です。
ラクに取り入れられる仕組みづくりだけにして、あとはフレキシブルに使える空間に。今回の7つのルールを取り入れて、快適な使い心地の冷蔵庫を目指しましょう!