玄関のみを共有する、完全分離型の二世帯住宅実例を紹介します。80代の母と50代のHさんが暮らす1階。そして、Hさんの姉と義兄、姪のIさん一家が暮らす2階。両者は、風通しのいい中庭の木を中心に、ゆるやかにつながっています。
すべての画像を見る(全25枚)中庭でプライバシーを確保しつつ開放感を楽しむ
Hさん+Iさんの家 神奈川県 家族構成/本人50代 母80代 姉50代 姉の夫50代 姪20代
設計/山縣 洋建築設計事務所
3匹のネコと少し足の不自由な母親と暮らすHさんは、姉家族と一緒に暮らすことになり、実家を2世帯に。建て替えた家には、ネコのために欲しいと思っていた中庭をプラン。シンボルツリーには、マルバノキを選びました。ネコも人も安心して暮らせる住まいとなっています。
この家のこだわりポイント
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・ネコも人も快適で暮らしやすい
・2世帯がほどよく気配を感じる
・家の中にいながら自然が感じられる
・物が片づけやすくてスッキリ暮らせる
2階テラスからLDKと中庭を見たところ。窓をフルオープンにすると内と外がつながり、開放感たっぷり。キッチンも近いので、みんなでバーベキューを楽しむそう。
中庭とつながる1階リビング。
「風の抜けは抜群。ネコのためにつくった中庭でしたが、換気ができてコロナ対策にもなっていると思います」
Hさんが飼っている3匹のネコのうち2匹は里親募集サイトから譲り受けたもので、完全室内飼育が条件でした。
「もともと庭が広かったので、以前飼っていたネコは庭に出していたんです。完全室内飼いとなるといろいろ問題が出てきて、安心して遊ばせられる中庭があればと、ずっと思っていました」
敷地は急な坂道の途中にあり、周囲から見下ろされるような環境だったため、設計を依頼された山縣洋さんは、プライバシーを確保するためにも中庭を中心としたプランに。 1階リビングは、窓を開けると中庭と一体化。
「ネコたちは喜んで走り回っています。中庭にはルーバーがあるので、風が通り抜けて気持ちがいいですし、家の中にいながら自然を感じられるのも気に入っています」
母の寝室も中庭とつながり、中庭からフラットに駐車場に出られるのもポイント。また、中庭を介して上下の2世帯がお互いの気配を感じることもできます。