竹野内豊さん主演の『イチケイのカラス』は、東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称・イチケイ)を舞台に、型破りでクセ者の裁判官・入間みちお(竹野内)と、みちおに振り回されながらも真実をつかもうと奔走するイチケイメンバーの活躍を、コミカル&ビターに描いていく新しいリーガルドラマ。原作は、浅見理都さんの同名人気コミックです。
ここでは、イチケイに異動してきた裁判官・坂間千鶴を演じる黒木華さんにお話を伺いました。
『イチケイのカラス』黒木華さんインタビュー
黒木華さん演じる坂間は、東大法学部出身の超エリートで、冗談がまったく通じない堅物タイプ。「裁判官が的確かつ速やかに事件を処理することで日本の治安が維持されている」と自負しているため、じっくりと事件の真相を深掘りしていくみちおの仕事のスタイルを理解できず、イライラが募ったり、あきれたり…。
「坂間は、ただ堅物なだけではなくて、悩んだり心が揺れたりもするし、彼女なりの信念や正義感をもっています。正しい判決を下したいと思う気持ちは、みちおさんと変わりません。ただ、その方法が違うだけで。そんな坂間の人間らしさを出せるように意識して演じています」
●堅物裁判官・坂間千鶴の成長譚としても観ていただきたい
ゆるい空気をまとったみちおのとぼけた発言に対し、正論をぶつける坂間のマシンガントークは、ドラマの大きな見どころです。
「竹野内さんは、本当に物腰がやわらかくて、優しい人だなというのが第一印象でした。『ロジックの速射砲』といわれる坂間がひらりとかわされてしまう感じや、考えていることや行動が読めないところがみちおさんと重なります。それが、考えてやっていらっしゃるのか、自然とできてしまうのかもわからないから、すごいなと思います」
マイペースなみちおに、初めこそ反発してばかりの坂間でしたが、事件をただの“案件”ではなく、“1人ひとりの人生”として扱うみちおの信念に気づいたとき、「判決を下すだけでなく、裁判官としてなにができるのか」という問いに直面します。
「日常生活でも、他人がなにを考えているかなんてわかりませんよね。振り回されるって、まさに人に影響を受けることだと思うんです。『なにやっているんだろう』と思っているなかに、核心があったりする。それに気づく瞬間は、すごくロマンチックだし、だからこそ変わっていく坂間を演じるのが楽しいです。坂間の成長譚としても観ていただきたいと思っています」
●食べることが大好きなので、ストレスがたまると、ついつい食べ過ぎちゃう
作中では、ストレス解消法として、大量の肉を食べる坂間の姿が描かれています。黒木さんはどんな方法でストレスを発散するのでしょうか?
「私もめちゃめちゃ食べます。食べることが大好きなので、ストレスがたまると、ついつい食べ過ぎちゃいますね。おいしいものを食べれば、もうそれでなんでもよくなります(笑)」
原作では主人公で、しかも男性である坂間。女性の黒木さんが演じるドラマ版“坂間”に注目です。
『イチケイのカラス』
毎週月曜 夜9時
フジテレビ系 全国ネット放送
【黒木華さん】
1990年、大阪府生まれ。2010年、舞台『表に出ろいっ!』でデビュー。映画『小さいおうち』でベルリン国際映画祭銀熊賞、『母と暮せば』『浅田家!』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。ドラマ『重版出来!』『凪のお暇』、映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』『日日是好日』、舞台『書く女』『お勢登場』『ハムレット』などに出演