アメリカ人の大好物だというお菓子、クッキードウをご存知ですか? なんと、「焼く前のクッキー生地をそのまま食べる」というもの。日本ではまだなじみのないこの食べ物について、アメリカ・シアトル在住のライターNorikoさんにレポートしてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)クッキーを生地のまま食べる!アメリカで人気の「クッキードウ」って?
アメリカは11月第4木曜のサンクスギビング(感謝祭)の祝日を迎え、お正月までのホリデー・シーズンが始まりました。コロナ禍にあっても、街は例年どおりちょっとしたお祝いムードに包まれます。
ただし、いつもなら遠方の家族が大勢集まる、日本のお盆のような感謝祭の食卓は、今年はお預け。同居家族だけで、ロースト・ターキー(七面鳥)やカボチャのスイーツなどのごちそうを味わいます。
●焼いても焼かなくても食べられるクッキー?
ホリデー・シーズンの習慣として、クッキーづくりも定番。各家庭で、クリスマス・カラーなど色とりどりのクッキーを手づくりして楽しみます。今年はコロナ禍で小麦粉を使ったパンや焼き菓子づくりがブームとなりましたので、クッキーの出番も多そうです。
そんなクッキーですが、アメリカでは、“焼く前の生地”も立派なスイーツとして大活躍。クッキー生地そのものズバリの「クッキードウ」というスイーツは、今や主役級の扱いで、市販品や専門店も登場しています。日本でも東京の専門店やコストコなどのアメリカ系食料品店で買えるようですね。
●気になるクッキードウの味とは?
「小麦粉を生で食べても大丈夫?」という疑問が、そもそもあるかと思います。じつは、安全に食べるためには、使用する小麦粉は熱して殺菌する必要があり、卵も生食用を使います。それさえ守れば、普通に小麦粉、卵、バター、砂糖を入れたクッキー生地。
アメリカでは、「あとは焼くだけ」のクッキー生地が多く市販されていて、その袋には「そのまま食べてOK!」と書かれています。わが家も今ではすっかり、生のクッキードウをいくつかつまみ食いしてから、残りをオーブンで焼き上げるのが定番に。
初めて食べたときの感想は、「意外とおいしい」でした。市販品のほとんどは冷蔵または冷凍で保存するものなので、程よく冷えているのもポイントなのかもしれません。アイスクリームのような食感で、濃厚さと甘さがクセになります。
シンプルなシュガークッキー生地の場合は、トッピングして好みの味を探してみるのもおすすめ。チョコレートチップクッキーやナッツクッキーなど、すでにいろいろ入っているクッキー生地も売られています。
●クッキードウをアレンジして楽しむ
アレンジの定番は、アイスクリームとの組み合わせ。市販品や専門店のアイスクリームのフレーバーとしても、「クッキードウアイスクリーム」は不動の人気ぶりです。似た食感同士なので、違和感もなく楽しめます。リッチな味わいは、コーヒーにぴったりですし、個人的にはワインとのペアリングもぜひおすすめしたいところ。
チョコレートやナッツ、ドライフルーツをトッピングすれば、味にメリハリが出て、ワインがますます進みます。わが家では、クッキーの焼き上がりを待つ間のお楽しみです。
もちろん、焼き上がった息子の特製クリスマス・クッキーもおいしくいただきます。ハロウィンでもらったチョコレートの残りを使って、カラフルにデコレーションしてくれました。あとはクリスマス本番を待つばかり。感染対策に気をつけて、特別な年のクリスマスを楽しみたいものですね。
【Norikoさん】
アメリカ・シアトル在住で現地の日系タウン誌編集長。フリーランス・エディター/ライターとしても、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『
アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『
ビックリ!! 世界の小学生』(角川つばさ文庫)。