シャワーを浴び忘れたままなぜかドライヤーをかけ、クルマを停めた場所を忘れて駐車場をさまよい歩く…。そんな悲しくも笑える日々を漫画に描く49歳のシングルマザー・まめさん。
「あるある!」「こんなん笑うしかない」と、そのおばさんっぷりが人気です。
新刊『
』が発売されたまめさんに、自分のなかのおばさんと楽しくつき合う方法を伺いました。
すべての画像を見る(全11枚)ちょっとかわいそうで最高に笑える!おばさんの日常を描くまめさんにインタビュー
――ご自身の老化についても笑い飛ばす「おばさんデイズ」ですが、今回も「駐車場でクルマを停めた場所がわからない」「ドライヤーかけたらそもそもシャワー浴びてないので髪が濡れてなかった」「差し歯が抜けた」など、老化ネタが満載です。ご自身が老いていくということについて、どう折り合いをつけていらっしゃいますか? どんな風に老いとつき合っていますか?まめさん:
こうやってエピソードを並べると本当にひどいですね。
駐車場でクルマを停めた場所がわからないなどは最近もしょっちゅうやっています。
ただ昔からこの類のエピソードはちょこちょこあって、ちょこちょこある事が逆にまずいなとも思うんですが(笑)。
慣れてしまっているのかわかりませんが、老いと真剣に向き合ったりどう折り合いをつけるということもとくに考えたことはないかもしれません。
ただやらかす頻度は確実に上がっていますので、なにかをやらかしたときに「うわー! これは歳のせいか!?」と絶望しますが、気がつけばなにか別のことで忙しくしている。というのを繰り返している気がします。
――ご自身が老いたな~と思ったときは、どんなときですか? 体・見た目・考え方・話題など、教えて下さい。まめさん:
見た目で言うと、ほうれい線とかシワとかでしょうか。
これはよくある話だと思うのですが、アイドルたちの動画を見ていて、一瞬画面が暗くなったときに映る自分の顔は本当におそろしいなと思います。
シワもですが、すごくいい動画で幸せ感じているのに顔が「無」だったりするところが怖いなと思います。
肌のケアに関しては、美容部員の友達がいつもいい化粧品を教えてくれるので、いろいろと塗り込んでいます。
体型は、やはり昔より太りやすくなったのでいつもダイエットをしています。と言ってもほぼ成功していないのですが(笑)。
考え方は昔も今もあまり変わっていませんが、適当な部分がさらに適当になってきています。
あと中身が年齢に追いついてなくて、「こんなはずじゃなかったな」と思っています。
●ニンニクと大葉があれば、「名もなき料理」でもなんとかなる
――真っ白スープのソルロンタンを適当につくってドブ色になるエピソードに笑ってしまいました。普段のごはんづくり、大変かと思いますが、レトルトや冷凍食品は使っていますか?まめさん:
ソルロンタン、完全にドブでした(笑)
いつもですが知識がないのにも関わらず、オリジナルで進めようとします。
言われてみたらレトルトや冷凍食品は最近はあまり使っていなかったです。
冷凍チャーハンとかラクなので、これを機にバンバン使いたいと思います。
――ポテサラは手づくりしろ問題、から揚げは手抜き料理問題などが最近話題になりましたが、もしまめさんが普段実践されている手抜きワザや時短レシピがあれば教えて下さい。またお子さんたちの反応も教えて下さい。まめさん:
手抜きワザができるほど料理の腕のレベルが高くないかもしれません。
言ってみればほとんどが手抜きレベルかもしれません。
なにかとなにかを、なに切りかわからない切り方で切って、バァーッと炒めたなにか。とか名もなき料理が多いです。
とにかくニンニクと大葉があればなんとかなる。と思っています。
末っ子の中学生の娘が食べることが好きなので、おいしいときはテンションが上がっています。
上の男の子2人はたまにおいしいと言うくらいで、そんなにリアクションはないです。
●妹と夜中3時まで“推し”の話。同じ話を何十回もするので、永遠に話が尽きません。
――今回は家族のパートもあり、妹さんとは一緒にアイドルのコンサートに行き、とても仲がいいですね。お父さまは「実家でバーベキューひとりぼっち事件」などちょっとかわいそうなエピソードがあり、お母さまは「3段のバターケーキノルマ事件」など、ひょうひょうとして憎めない感じです。ご家族のイメージは合っていますか? ご家族の仲のいいエピソードや、現在のつき合い方などを教えて下さい。まめさん:
妹とは趣味も合うのでよく一緒に行動することが多いですね。友達が少ないので姉妹で同じ趣味がもてて助かっています。
推しの話を夜中の3時くらいまで熱く語り合うこともあります。同じ話を何十回もするので、永遠に話が尽きません。
父はかわいそうというより、声も大きくて強い人です。そして唐突に寝ます。
さっきまで会話していたのに、急にいびきをかき始めます。だいたい夜8時半頃には眠くなるようです。
母は最近は歳のせいか少し静かになりましたが、元々とても活発な人です。
知ったかぶって適当なことを言うときがあったり、急にあらゆる部門の専門家になるようなタイプです。
――40代ともなると今後、介護や相続などの問題も出てくるかと思います。そのあたりをご家族で話し合っていますか? 教えていただける範囲でお願いします。また、介護や相続について、どうお考えでしょうか?まめさん:
まだありがたい事に両親とも元気なのでしっかりとした話し合いなどはしたことがないですが、ちゃんと考えないといけないと思っています。
●老化に負けないぞと果敢に立ち向かってる感じがおばさんっぽくていいな
――今作には「推しのアイドルのために少しでもきれいな私でいたいとメイクをがんばる」「超軽いと言われている社員がひとつも声かけてこない」などのエピソードがありました。「おばさんデイズ」として、おばさんの正道をまっすぐ歩んでいらっしゃる印象ですが、実際のところこれから恋愛や再婚などはまったくお考えではないでしょうか? 「こんな人なら」「こんな生活なら」という理想もあれば、ぜひ教えて下さい。まめさん:
正直なところまったくないんです。再婚はもちろん、恋愛も今は考えられません。
元々たくさんのものを持って生きられるタイプじゃないので、自分のことで精一杯だし、子どもを育てたり推しを応援したり漫画を描いたり忙しくて恋愛が入るスペースがないです。
私のような人間を好きになる方もそうそういないでしょうし(笑)、ひとりで自分の趣味に没頭するタイプなので向いてないみたいです。
――私が一番好きなエピソードは「換気扇の掃除」です。一生懸命なまめさんと悲しい結果が、笑いに昇華できていると感じます。この「ちょっとかわいそうな感じ」も「おばさんデイズ」の魅力だと思います。まめさんが一番気に入っているエピソードを教えて下さい。まめさん:
ありがとうございます!
私が好きなのはおばさんデイズZに入っている「ペッパーくんが出てこない」という漫画です。
ここまで出てるのに思い出せない。というやつです。
「最近はスマホで検索すればなんでもすぐに出てくるけどすぐ検索するのはよくない」みたいなことを友達が言い出して、私も、そうだよね。となり、意地でも検索せずに思い出そうとすることってよくあります。
老化に負けないぞと果敢に立ち向かってる感じがおばさんっぽくていいな。と思いました。
――20代~60代くらいまでの女性で、働いていたりいなかったり、子どもがいたりいなかったり、夫がいたりいなかったり…。まめさんとどこかしら共通点のあるESSEonline読者に、楽しく生きることについてのメッセージをお願いします。まめさん:
ESSEonline読者の皆さまこんにちは。まめと申します。
暑かったりソーシャルディスタンスしなきゃいけなかったりと色々大変な日々をお過ごしかと思います。本当にご苦労様です。
好みはあると思いますが、ぜひおばさんデイズを読んで笑っていただけるとうれしいです。
インタビュー読んでくださりありがとうございました!
まめさんの最新刊『
おばさんデイズZ』(扶桑社刊)には、さらに笑える「おばさん漫画」が満載! おばさんはもちろん、若い方も男性も、自分の内なる「おばさん」に気づくかも!? ぜひチェックしてみてくださいね。
●前回のインタビュー:結婚中の方が大変! 48歳シングルマザーが毎日楽しい理由【まめさん】
Webを中心にさまざまな漫画を描く40代のシングルマザー。Webサイト「cakes」で連載中の「おばさんデイズ」は同サイトアクセス数No.1を誇る。ブログ「凡人すたいる。」にて日々の出来事や妄想を随時更新している。「めちゃマガ」で「脳内めもり~ず」を連載中。著書に「
凡人すたいる。大盛り詰め合わせ」(KADOKAWA刊)、「
おばさんデイズ」「
おばさんデイズZ」(ともに扶桑社刊)
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