片づけと家計管理は別もの…そう思っていませんか? 『夢をかなえる7割収納』の著者であり、講演やセミナーも行っている石阪京子さんによれば、じつはこの2つは密接に関係しているそう。
赤字家計の人の多くは、片づけがうまくいっていないのです。詳しく伺いました。

片づけただけでなぜ貯まる?その秘密を、キッチンを例に解説します

大阪府に住む主婦、山本さくらさん(仮名)は、石阪さんが提唱する「7割収納」でお金が貯まるようになったひとり。二女を出産後、仕事と子育てに追われ、家はぐちゃぐちゃ。月々の赤字額も把握できないほどでした。

「散らかっていたときは心にゆとりがなく、家計のことはあと回しだったんです」と、当時を振り返る山本さんですが、7割収納に変えてから、みるみる貯蓄できるように。赤字から一転、月10万円以上の貯蓄を実現しています。

●ゆとりをもたせた収納で居心地のよい家に

今回は7割収納を実践した山本さんの収納&貯金術を紹介します。

まずは、120%以上ものが入っていたキッチン収納をすべて見直し、3割はゆとりを残すようにしたことで、ムダ買いが激減!

「ものが減って見つかりやすいので、重複買いがなくなりました。在庫もひと目でわかり、ストックも余計にもたずにすむ。それに、片づいた家は居心地がよく、外出して浪費することも、めっきり減りました」と、別人のよう。

今だからわかる貯まらなかった原因と、解決法を教えてもらいました。

●貯まらなかった原因1:キッチンを片づけるのが面倒で、外食に頼りがち
→<解決策>作業スペースを確保し、調理をスムーズに始められるように

【BEFORE】

【BEFORE】
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「料理をしようとすると片づけからだし、散らかった部屋で食べるのもいや。そのため、週2ペースで外食していた」と山本さん。

【AFTER】

【AFTER】

洗剤やまな板以外のキッチン用品は、収納の中へ。子どものものや日用品であふれていたカウンター上も片づけました。レトルト食品を使うことも減り、3万円近い節約に!

●貯まらなかった原因2:ストックがあちこちにあり、重複買いが多い
→<解決策>乾物ストッカーを使って1か所で在庫を管理

乾物など、あちこちに分散しているせいで、残りがあることに気がつかず、新しいものを買っていた山本さん。乾物ストッカーを使って袋物もコンパクトに収納し、1か所で在庫管理ができるようにしました。

貯まらなかった原因2:ストックがあちこちにあり、重複買いが多い

「引き出しひとつに収まっているので、あっという間に在庫確認が完了! 期限ぎれなど食品ロスが減って、食費が下がりました」

●貯まらなかった原因3:無計画に食品を買うため、食べきれずムダにする
→<解決策>まずは冷蔵庫を7割収納に

かつての冷蔵庫は隙間なくパンパン。献立を立てずに無計画に購入し、結局食べきれないことも多かったそう。死蔵品や重複買いも多数ありました。
ところが、7割収納で買い物の仕方が「冷蔵庫に入るから」から「食べるから」にシフト。

貯まらなかった原因3:無計画に食品を買うため、食べきれずムダにする

「冷蔵庫がスカスカになり、食品の管理がしやすくなりました。今は献立を考えてから買っています。食べずに捨てることがなくなり、1万5000円ほど食費が減りました。」

貯めようとしても、なかなか貯まらない。そんなときは、収納から見直してみては? たかが重複買いといえど、チリも積もれば山となります。

「片づけたときに『こんなにムダなものを買っていたのか!』と目の当たりにした」と山本さんが言うように、一度ものと向き合うことが、家計と向き合うきっかけになるかもしれません。

ESSE6月号

では、石阪さんの提唱する7割収納を詳しく解説しています。「家が片づかない…」「お金が貯まらない…」と悩んでいる人はぜひ、参考にしてみてください。