いつまでも仲のいい夫婦ってすてきですよね。でも、パートナーの言動に疲れてしまう日があるのなら、それは支配欲が原因かもしれません。

漫画家、エッセイストの瀧波ユカリさんに、読者から実際に寄せられたお悩みをズバリ解決してもらいました。

夫の「好き」がストレス…「私のことが大好きだから」というフィルターをかけるのをやめましょう

【お悩み】夫が私を好きすぎて困っています

イラスト ふたりだけでお出かけ
妻を独占したがる夫。でも、妻は自分の時間も欲しい…
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結婚14年目になる夫が、私を独占したがり困っています。どこに行くにもふたりで出かけたがり、平日フルタイムで働いている私は、週末はゆっくりしたいのに体が休まりません。

普段は家事に協力的で、優しい夫ですが、不満を伝えると、夫がすねてしまい家のことをなにもしてくれなくなり…。そんな夫ですが、子どもたちは大好きで、13歳になる娘はまだ一緒にお風呂に入りたがります。私自身も夫のことは大好きですが、もう少し自分の時間がほしいと思っています…。
(東京都・40代)

【瀧波さんからのアドバイス】彼にはっきり「自分勝手」だと伝えましょう

文章から、お互いが大好きであることが伝わってきました。優しくて愛情深い男性に愛されるのって、とても幸せなことだと思います。
でもそれはそれとして、ちょっと考えてみてください。配偶者の意見を尊重せず、自分の思いどおりにならなかったら怒ったりすねたりの実力行使に出る。それって、すごく子どもっぽいと思いませんか? 本当に子どもならまだしも、大人がやればそれはもはや「支配的」ですよね。
それに「夫は家事に協力的」と言いますが、お互いフルタイムで働いているのであれば家事の責任は夫婦それぞれに等しくあるものです。

つまり、彼は「すねて協力しなくなる」のではありません。「責任ある仕事を放棄することで配偶者を困らせ、コントロールしようとしている」のです。
13歳になる娘さんとの入浴も気になります。もし娘さんが今後「もう父親とはお風呂に入りたくない」と思ったときに、自分から父親に言えるでしょうか? 怒りだしたりすねたりするかもしれませんよね。彼がそうふるまったとき、娘さんに太刀打ちできるでしょうか? あなたでさえ手を焼き、困っているというのに。

イラスト 自分勝手愛

彼は実際にあなたのことが大好きなのでしょう。でも、「好き」は、どんな行動も正当化できる“錦の御旗”ではありません。

それにはっきり言ってしまえば、彼があなたを疲れさせてしまうのは「好き」だからではありません。「好き」をふりかざして自分の欲望を押しとおすからです。

まずは、彼の欠点を直視してみませんか。彼の行動について考えるときに「私のことが大好きだから」というフィルターをかけるのをやめましょう。そして彼があなたを困らせたときには「自分勝手だな」としっかり思うこと。罪悪感など不要です。

そのうえで、彼が問題行動を起こすたびに「あなたの手の内はわかっている」と突きつけましょう。「そのやり方は自分勝手だよ」「私を困らせてコントロールしようとするのやめてよ」とはっきり言うのです。最初のうちは機嫌を損ねるかもしれませんが、本来優しく愛情深い人であれば、少しずつ受け止めてくれるのではないでしょうか。

長年今の関係でやってきたのなら、黙って耐える方がまだラクに感じるかもしれません。でも本来、夫婦は対等な存在です。互いを尊重し合い、心からいたわり合える関係にたどり着くために、勇気をだして一歩踏み込んだ指摘をしてください。娘さんとの入浴も、そろそろやめるように話すときですよ。