家族や仲間たちとバーベキューをする機会が増える時季。いざ現地に行って「あれがない!」「焼き方に失敗した!」などのトラブルが起きないよう、事前に準備をしておきたいものです。

ここではバーベキュー上級インストラクターの資格をもつ、エバラ食品の田中敬二さんに、おいしい焼き方やもって行くと便利なものについて教わりました。

グリルで肉を焼く様子
バーベキューを成功させる簡単なコツ
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バーベキューを満喫するために!お肉はじっくり、野菜は丸ごと焼くのがコツ

「バーベキューにおいては、炭のレイアウトが大事です」という田中さん。おすすめの2通りの炭のレイアウトはこちら。

・ツーゾーン・ファイア
グリルの中で炭を半分だけ置くレイアウト

グリルの中で炭を半分だけ置くレイアウト。牛肉や野菜を焼くのに適しています。

・スプリット・ツーゾーン・ファイア
グリルの両サイドに炭を置いて、センターをあけるレイアウト

グリルの両サイドに炭を置いて、センターをあけるレイアウト。

「センターにあけたスペースには、アルミホイルなどで脂受けをつくり、水を張ります。両サイドの炭の量は、一方は多めに、一方は少なめにすると、それぞれ高温、中温の火加減をつくることができます」

じっくり遠赤外線で中まで火を通していく、豚肉や鶏肉を焼くのに適しています。

●牛肉、豚肉、鶏肉を焼くときのコツ

牛肉(ステーキ肉)の場合


「ツーゾーン・ファイア」の高温部分で両面を焼き、炭の無い低温部分でお好みの焼き加減までじっくり火を通していくのが、おいしく焼くポイントです。

豚肉(ブロック肉など)の場合


「スプリット・ツーゾーン・ファイア」の真ん中のゾーンでゆっくり火を通します。

鶏肉(1枚肉)の場合


皮目を「スプリット・ツーゾーン・ファイア」の中火のゾーンで焼き、その後は真ん中でゆっくりと火を通していきます。

「豚肉、鶏肉ともに、遠赤外でゆっくり火を通していくことで、ジューシーな仕上がりになります。うすいお肉よりも少し厚みのあるお肉を、ゆっくりと火を通していくことがおいしく焼くポイントです」

●野菜はカットせずに丸ごと焼くとジューシー

「バーベキューで野菜を焼くときは、カットせず丸ごと焼くことをおすすめします」と田中さん。それによって乾燥しにくく、野菜本来のうまみを逃がさなくなります。

「野菜の種類は、ピーマン、タマネギ、トウモロコシなどがおすすめです。たとえば、ピーマンは丸ごと直火や網で、タマネギはアルミホイルで包み、炭の中で焼きます。トウモロコシは皮ごと網で焼くと、バーベキューならではの豪快な楽しさとおいしさが味わえますよ」

タマネギはトングでつかみ、やわらかくなったら完成。アルミホイルを取りカットします。トウモロコシを直火で焼いた場合は、黒く焦げた皮の部分はむいてください。

●前日に仕込みをしておくと当日ラクに

田中さんがおすすめするのが、前日に肉を焼肉のタレに漬けておくこと。

肉を焼肉のタレに漬けている様子

「漬け込むことでやわらかくジューシーに仕上がるうえ、火を入れてすぐに食べられるので便利。しかもゴミがほとんど出ないのもポイントです」

ジッパーつき保存袋にお肉と焼き肉のタレを入れている様子

漬け込み方法は、ジッパーつき保存袋にお肉と焼き肉のタレを入れて、手で軽くお肉を押さえながらもみ込むだけ。

保冷バッグなどに入れて持っていく場合は、焼く30分ほどに保冷バッグから出し、常温に戻します。

「タレの量は、お肉の重量の20~25%を目安にしてください」

赤身(筋肉)が多い輸入牛も、タレで漬け込むと、タレに含まれる有機酸の働きにより、筋線維にすき間が生まれ、そこに糖やアミノ酸が入り込みます。そうすることで、肉汁の流出が抑えられ、ジューシーでやわらかいお肉になるそう。

●もっていくと便利なバーベキューアイテム

さらに、もっていくと便利なちょっとしたアイテムを教えてもらいました。

・水鉄砲

「火が強くなりすぎた場合に、水鉄砲で水をかければ、ピンポイントで火を弱めることができます」

・チムニースターター

「風が強くて火がつきにくい日でも簡単に火をおこすことができます」

・火消しつぼ

「炭を使った場合、炭を処理する必要がありますが、その手間がかかりません」

・肉芯計

「肉の内部の温度を計るアイテム。ステーキや大きなかたまり肉を焼くときに火が通っているかがわかりやすいので、あると便利です」

備えあれば憂いなし。この夏は準備万端の状態で、バーベキューを楽しみましょう。