私立小学校の学校説明会の季節です。「お受験ジャーナリスト」として、子どもの勉強や進学について多数の著作のある末木佐知さんに、学校説明会について詳しく伺いました。

私立小学校受験。学校説明会の時期がやって来た!

5月になりました。この時期になると、各私立幼稚園や小学校が説明会を開催します。20数年前から小学校受験の取材を続け、そこから見えてきた、学校説明会に参加する際のポイントや、見るべきところをお伝えします。

私立小学校受験
憧れの小学校。学校説明会ではなにを見ればいい?(写真はイメージです)
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●まずは学校説明会に行こう!

まずは近隣の気になる学校をネット検索し、説明会の日程をチェックしましょう。

興味のある学校は絶対に行くべきです。人気校は、「要予約」というところも多いので、早めにホームページなどで確認することをおすすめします。

また、小学校受験を考えていないという方も、お時間があるなら参考のために行ってみましょう。
自分の学区の公立小学校とも比較もできますし、中学受験を見据えているのであれば、私立の学校を見ることが今後役に立ちます。

中学受験をする場合でも、塾に通えば年間100万円くらいはかかります。そうなると、私立小学校の年間学費とかわらないのが現状です。それらを踏まえても早めに学校を知るということは重要なのです。

●紺のスーツを着ていかないといけないの?

紺のスーツ
紺スーツは1着持っていると便利!

さて、よく見かけるお受験ママファッション。紺のスーツは着ていくべきなのでしょうか?
「どこで先生がチェックしているかわからないから」などと噂されていましたが、実際は説明会時にチェックなどはしていません。

しかし、TPOをわきまえるという意味で、無難な紺スーツが必須となっているわけです。実際にそれさえ着ていれば浮かないですからね。
説明会や試験の季節になると正装の親子を見かけるのはそういうわけです。

事実、実際に受験するときにもそのスーツで行くので、1着あってもいいのではないのでしょうか。
私も1着購入し、すべての説明会に着て行きましたが、いわば取材用の制服みたいなものでかえってラクでした。

情報が少なかった昔は、「○○ブランドの服だと合格する」など、さまざまな根も葉もない噂が流れていました。ある人が某量販店のお安いスーツで合格したという話が出ると、それだけで盛り上がったものでした。

今はそんな噂はありませんが、ルールなどではなく、無難だから紺スーツを着ようということになっています。

●小学校受験に関しては昔から内容はほぼ変わっていないのが現状

小学校受験に関しては昔から内容はほぼ変わっていないのが現状

スーツの話ひとつとってもわかるように、お受験の世界は、何十年も受験者側のするべきことは変わっていないのが現状です。

過去の合格者の話を聞いていると、学校側は「きちんとしつけの行き届いた子ども」がほしいといえます。

お受験の幼児教室で行うことはお勉強ではなくて「しつけ」や「マナー」ですので、そのあたりのニーズに応えているということなのかもしれません。

●説明会ではなにを見ればいいの?

校長先生の話のときは寝ていたお母さんが、試験内容について話が出ると、起きて必死にメモをとっている姿を目撃したことがありました。
「そこじゃないでしょ!」とつっこみたくなった記憶があります。

実際に、説明会での先生のお話というのは、その学校の「子育て論」「子どものしつけと親と関係」などを知ることができるいい機会なのです。
そして、倍率の高い人気校では「受験という形をとって子どもたちを評価するのは心苦しい」といったような内容をお話される方が多かったと思います。

しかし、説明会の内容をきちんと聞いて把握するのは当たり前のこと。それ以外にチェックしたいのは、次のようなことです。

・参加している他の保護者の雰囲気や服装

→学校のカラーは、保護者のカラーともいえます。服装は紺スーツがほとんどなのですが、ほかに髪型、バッグなどをチェックすることで自分に合った学校なのかどうかの判断基準になります。

・先生の服装や雰囲気

→上履きがスニーカー系なのか? サンダルなのか? など、先生の服装で学校の雰囲気が伝わります。

たくさんの説明会に参加したことで、校門や教室に入ったときの雰囲気で、自分の子どもに行かせたい学校か? この学校は自分の子どもに合っているか? など、「肌感」でわかるようになりました。

興味のある学校は実際に見に行くことで、直感や雰囲気で感じることができるのではと思います。

また、幼稚園受験の方は、そこの小学校の説明会にも行ってみましょう。付属の幼稚園だと、そのままその小学校に上がることになります。

子どものための小学校選び

子どものための小学校選び。ブランド校だから、人気だからという見栄で選ぶのではなく、きちんと足を運び、お子様が楽しんで通える学校を選んであげられるといいですね。