昨年お笑いメインのスタイルから大きく舵を切った『FNS27時間テレビ』が、今年は「にほん人は何を食べてきたのか?」をテーマに、日本の食文化の知られざる魅力に迫ります。そこには一体、どんな発見があるのか? というわけで、収録現場に潜入してきました。

FNS27時間テレビ
スタジオのセットでは、さまざまな時代の「にほんの食堂」を再現
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旧石器時代から平成までの食を振り返る

視聴者とともに日本の食の歴史を学ぶ豪華ゲストは、ビートたけしさん、村上信五さん、上戸彩さん、林修さん。バカリズムさんが「食堂長」をつとめる「にほん人食堂」にお客としてやってきた4人が、旧石器時代から平成までの食のトピックスをたどっていくという趣向です。

上戸さんも、食の話題に興味津々。たけしさんのボケと村上さんのツッコミの息もぴったりで、収録は賑やかに進行していきます。

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「縄文土器って、普通に考えて使いづらくないですか?」。食にまつわる「素朴な疑問」をフリップでプレゼンするバカリズム食堂長

食をめぐる歴史の旅は、「旧石器・縄文・弥生時代」「古墳・飛鳥・奈良時代」「平安時代」「鎌倉・室町時代」「安土桃山時代」「江戸時代」「明治・大正・昭和」「平成」と8つの時代を横断するように進行。ここでは、番組のなかで紹介された「知られざる日本の食」のほんの一部をご紹介します。

お寿司のルーツは弥生時代!

お寿司というと、江戸時代に誕生したものというイメージがありますが、そのルーツは思っている以上に古く、なんと弥生時代にまでさかのぼるとか。

弥生時代のお寿司「ナレズシ」は、もともとは魚を長期保存するために中国から伝わったと言われるテクニック。塩をした魚に米飯を加えて、乳酸発酵させるというものです。
このようにして保存すると、魚肉が分解することなく、魚の形を保ったまま1年以上も保存できるそう。

そして、江戸時代。大きなイノベーションが起きるのです。

もともと中国から伝わった保存食であるナレズシが、日本人の気質に合わせて、独自に形を変えていった様子にゲストも感嘆しきり。私たちの食生活は、先人たちの尽きない工夫によってもたらされたものなんですね。

平安時代のかき氷は1杯100万円の価値!?

日本の夏に欠かせないスイーツといえば「かき氷」。このかき氷が日本の文献に登場した最初の例は、あの『枕草子』だそう。

元祖ブロガーとも言うべき平安女子・清少納言は、「あてなるもの(高貴なもの、上品なもの)」という項目のなかでかき氷を紹介。
「新しい金属のお椀に、細かく削った氷を盛りつけ、『あまづら』をかけて食べる」のが、とても上品だと書いています。

そんなあまづらの再現に成功したのが、奈良女子大学の研究チーム。
木のツタを切り、メロンよりも甘い樹液を煮詰めることで、さらに糖度が増したシロップが完成します。しかし、この作業が本当に大変で、たった100㏄のあまづらを完成させるのに、大人30人がかりで丸1日を費やしたそう…。

なんとも貴重なかき氷ですから、1杯100万円という値がついたという説も!

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「あまづら」の原料は、こんなに太い「ツタ」でした

江戸時代にもフードファイトがあった!?

町人文化が花開いた江戸時代には、庶民の食生活もぐっと豊かに。そんななか、現代のフードファイターを彷彿させる「胃袋自慢」たちが、各地で大食いぶりを競っていた様子が、文献に残されているといいます。

なかでもとくに有名なのが、文化14年(1817年)3月23日、両国柳橋の料亭「万八楼」で行われた大食い大会。「ごはんの部」「お酒の部」「お菓子の部」などのジャンル別に、熱戦が繰り広げられました。
当時の記録を見れば「まんじゅう30個、うぐいす餅80個、松風せんべい30枚、たくわん5本」といった信じがたい成績が…。

「さすがに話を盛っているのでは?」と首をかしげるゲストたちでしたが、解説の「まなぶくん」によると、大会は多くの見物人の前で行われており、公平性が保たれていたのでは? とのこと。

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ほかにも「肉料理」「宴会料理」「南蛮料理」「麺(そば、ラーメン)」など、おなじみの料理の意外な歴史が次々に登場。番組をチェックすれば、日ごろ、なにげなく食べている料理を見る目が変わるかもしれませんね。

●番組について

『FNS27時間テレビ~にほん人は何を食べてきたのか?~』

は、9月8日(土)から9日(日)にかけて放送