つる植物で「緑のカーテン」をつくったり、子どもと一緒に朝顔を観察したり、植木鉢やプランターで野菜やハーブを育てたりと、夏のグリーンを楽しんでいる人も多いのでは。
ただこの時期に気になるのが、暑さで枯れたりしおれたりすること。
「雨が少ない夏場は植物にとって過酷な季節。意識して“水やり”をしてみましょう。植物を元気に育てるために、水やりには重要なポイントがいっぱいです」と語るのは、庭木のお手入れに詳しい竹内邦雄さんです。詳しく語っていただきました。
夏場のグリーンの「水やり」に注意!酸素を多く含ませて
植物に水やりするのは、もちろん水分を与えるためです。でも、もう1つの重要な役割が、根に酸素を送り込むこと。
植物の根は呼吸して、酸素を吸って二酸化炭素を出しています。そのため土の隙間には、二酸化炭素がたまりやすく、酸素不足になっています。
水やりをすることで、水の浸透とともにたまった二酸化炭素が押し出されて新しい空気が入り込み、根に酸素が供給されます。
つまり、水の流通によって呼吸が促されて根が元気となり、肥料の効きもよくなり、植物がグングンと成長。水やりは植物の生育に影響する、大切なことなのです。
●植物に与える水には、ジョウロやシャワーで「酸素」をたっぷりと含ませる
普段、どのように水やりをしているでしょうか? ホースにシャワーノズルをつけずに水を与えたりしていませんか?
「如雨露」(ジョウロ)という字のごとく、雨のように細かい粒が空気を含んでゆっくりと降り注ぐ状況をイメージしましょう。
ジョウロやシャワーなどで土の表面が動かないように優しく何度も水を振りかけ、植木鉢やプランターの底から流れ出るまで水を与えてください。
そうすることで水にも酸素を含めることができるので、土全体に効果的に酸素を送り込むことができます。
植木鉢やプランターを持ってみて、軽くなったと思ったら要注意。植物が水分不足にあえいでいます。
植物を枯らさないために大切なことは、酸素を含んだ水をたっぷりと与えること。ただし、品種によっては水が少なくてもいい品種もありますので、それぞれの性質をよく確認しましょう。
●夏場は「遮熱」にもご注意を。植木鉢やプランターに熱がこもらないようにしよう
また、夏場の植木鉢は、遮熱も必要。さらに、植物が夏バテしないよう、植木鉢やプランターに熱がこもらないようにしましょう。
暑さに弱い草木は、植木鉢を二重に重ねて、断熱と水はけをよくする対応を。また、西日が当たらないよう場所を変えることや、すだれで遮熱するのも効果的です。
植木鉢やプランターの下にもブロックなどを置いて空気の通り道をつくり、水はけと風通しをよくしましょう。
土も夏バテに!?シーズンが終わったら土のコンディションを整える
夏が終わったら、草花の生育を支えた土に栄養補給やpH調整をして、次のシーズンに向けて「植物が育ちやすい土」に整えましょう。
土は時間の経過とともに酸性になりがちです。植物の多くは中性から弱酸性の土を好みます。市販されている土壌改良材を使って、土のコンディションを整えてください。
ただしずっと同じ土を使っていると連作障害(同じ土にバラ科など同じ科の草花を植えると生育不良になること)を起こすことも。その場合は、新しい土に入れ替えることが必要です。